2006-01-01から1年間の記事一覧

最近の株主総会

今日は、ある会社の株主総会にいってきました。株主総会は、色々と勉強になりますので、できるだけ出席するようにしています。 株主総会に出席していて、最近の傾向として感じるのは、出席者に個人株主の方が増えたということです。特に定年退職を迎えられて…

会社法がもたらしたもの

どの書店にいっても売れ筋は会社法です。セミナーのDMを開くと会社法のオンパレードです。100年以上も運用されてきた商業の基本法を根本から変えてしまったわけですから無理もありません。 神田秀樹さんの著書によると会社法制定の背景には、ファイナン…

金持ち喧嘩せず

私が、いつも自分に言い聞かせている言葉です。些細なことに、苛立ったり、自分の思い通りにならないからといって癇癪を起こすのは、私が貧乏なせいだ、みっともないことなので自制しなくちゃ・・・と。 貧乏には金銭的な貧乏と、精神的な貧乏がある気がしま…

継続企業の原則と決算書

会計学の本を読むと会計公準として「継続企業(going concern)の原則」という言葉がでてきます。会計公準というのは会計学の前提になっている考え方です。この考え方が分からないと、会社が何故決算を行うのか理解できません。 会社が調達する資金には、商…

国民年金の不正免除

国民年金保険料の不正な免除・猶予手続きを行った社会保険事務所が全国の社会保険事務所の三分の一にまで広がっていたそうで、大問題になっています。 不勉強な私は、この免除制度というの知らなかったのですが、新聞を読んで(ほとんどテレビはみないので)…

冗談をいいます・税制改正

冗談をいいます。聞いてください。平成18年度の税制改正案を作るときに、財務省の主税局の方たちは、 「何が何でも法人税をとるぞ〜。」「お〜っ!」 とシュプレヒコールをあげながら改正案を練ったんだと思う。・解説 法人の70%は赤字で法人税を納めて…

解散価値と将来価値

著名な中小企業診断士のA先生が、会合で私に声をかけてくれました。私もいちおう診断士の登録はしているのですが、A先生は私が20代前半のころから活躍されている大先生です。A氏「栗山さん。税理士業務をされているそうですね。新しい会社に関与すると…

経営者に必要な能力

私は記憶力が悪く、すぐ人の名前を忘れてしまう大きな欠点があります。 親しい人と話をしていると、よく以下のような会話になってしまいます。私「ほら、ほら浜口首相のときに金解禁をやった大蔵大臣、誰だっけ?」友人「高橋是清?」私「違う違う、ほらその…

法人税の調査

法人税の調査は任意調査と強制調査の2つに分類されます。任意調査とは法人税法に規定される税務当局の質問検査権に基づいて行われ調査です。強制調査とは国税犯則法に定める査察事件のための調査です。 前者は、会社の申告内容について調査し、修正が必要な…

リスク・フリーレート

収益性を考える上での金利概念に「リスク・フリーレート」という言葉があります。フリーとはタックスフリー(免税)などに使われるフリーなのでリスクがない利率、ということになります。 なんのリスクがないかというと、貸倒になるリスクがないということで…

人のいく裏に道あり花の山

私の好きなことわざです。ひねくれ者の私は、いつも少数派です。 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」といったのはツービートのころの北野たけしですが、へそ曲がりの私は、誰も止まらない小道の赤信号でも渡らないことにしています。 最近は、ちょっとした…

みなし贈与、なんでだろ

誰かから無償(つまりただ)で現金や物をもらったら贈与税という税金がかかります。これは、資産を安く譲ってもらっても同様です。その資産の時価と譲り受けた価格との差額が贈与とみなされます。 「贈与したら税金がかかるので、安く売ってあげるよ。」とい…

長期計画と経理の仕事

多くの上場会社では「事業計画」を策定して「予算」を編成しています。何を実行するかを決めるのが「事業計画」で、その数値目標が「予算」です。 多くの会社では1年ごとに計画を策定します。 来年何をするべきかを決めるには、もっと長いスパンでどのよう…

会計情報と管理会計

貸借対照表や損益計算書などの会計情報は、重要な経営情報の一部ですが、いくら分析しても、具体的な業績改善の方法は出てきません。 例えば、損益計算書で売上が落ちていることは分かっても、どうしたら売上が増えるかは分かりません。 収益は会社の外から…

業績をよくする方法

会社が利益を増やす方法は2つしかありません。 ひとつは、コストダウンをしたり、商品構成を変えて限界利益率(収益性)を高める方法です。簡単にいうと同じ物を安くつくるか、もっと儲かる商品を売るかです。 もうひとつは、収益性を下げてでも、より多く…

連結納税ってなんだ?

法人税は、会社単位で申告して納税するのが原則です。 連結納税とは会社単位の申告ではなく、親会社と子会社など経営上の強い結びつきを持つ企業グループ単位で申告する制度です。 実際は別々の会社なのですが、企業グループをあたかも一つの会社のようにみ…

会社の仕組み

会社が業務を遂行するのに必要なものを経営資源といいます。役員や社員などの「人」、製品の生産や販売に必要な設備や機材などの「もの」、材料の仕入れや給与の支払い、設備の購入などに必要な「金」そして、業務を遂行するための「情報」が主な経営資源に…

会社って誰のもの?

私は、今から25年くらい前に、「会社って誰のものだろう?」と悩んだのですが、あまり相手にしてくれる方はいませんでした。 当時の上司だった経理課長だけは「そういう話、面白いですね」と応じてくださって、救われる思いをしたものです。 M&Aが身近…

倒産と事業計画

私は「税理士」という職業を営んでいますので、これまで色々な零細会社や個人事業者に関与させていただいてますが、いわゆる三ちゃん企業といわれる零細会社や個人事業者は滅多に倒産することがありません。 経営に行き詰まって、破産や清算を選択するのは、…

勝馬投票券と所得税

競馬と宝くじの「一万円を賭けるごとに負ける平均額」は競馬が2500円宝くじが5200円だそうです。(谷岡一郎氏「ツキの法則」) つまり勝馬投票券は買ったとたん1万円が7500円になり、宝くじは4800円の価値になってしまうことになります。 …

今回の推薦本

【今回の推薦本】立花隆「天皇と東大 大日本帝国の生と死 下」。 この本、私の正月休みの課題図書(?)だったのですが、文藝春秋に7年間に渡って掲載されていた力作だけあって、読み終わるのに2月初旬までかかってしまいました。 最近、大正時代以降の歴…

ここが変だよ税制改正大綱

昨年12月15日に自民党の税制改正大綱が発表されました。その中に法人税が大増税になる改正事項があります。専門家の間では大問題になっているのですが、一般のマスコミでは殆どとりあげられていません。改正内容が複雑で分かりにくいことと、支援団体等…

よくある不正や重大ミス2

エンタの神様好きの税理士Aと税理士Bが悪ふざけの会話の続きです。税理士A「貸付金、何故か経理のポケットに」税理士B「あるあるやね〜。とくに子会社と親会社で頻繁に資金を貸したり、借りたりしてるルーズな会社」税理士A「あるあるやね〜。伝票も書…

よくある不正や重大ミス

エンタの神様好きの税理士Aと税理士Bが悪ふざけの会話をしています。税理士A「請求書、2回払って気づかない。」税理士B「あるあるやね〜。顧問先にいったら、売掛金が2回も振り込まれました、なんていわれたことない?」税理士A「あるあるやね〜。そ…

固定費は変動する

まだ私が20代前半だったころ西順一郎さんの「人事屋が書いた経理の本」という書籍がベストセラーになっていました。この本は20年以上たっても、まだ売れています。 この本は管理会計の教科書としては最高の本でした。 例えば損益分岐点という概念があり…

上場と資本政策(3)

前回、資本政策の要諦は、安易に安く株を持たせないことにつきる、と書きました。私の経験では、資本政策は会社設立当初に破綻していることが多いように思います。 通常、未公開株式の株価は「純資産価額」で考えます。 「純資産価額」とは簡単にいうと、会…