2005-01-01から1年間の記事一覧

上場と資本政策(2)

「一に業績、二に業績、三におかしな人(または怖い人)と突き合わないこと、最後に資本政策で間違ったり、騙されないこと。」三番目の条件は、騙されても上場はできるのですが、経営権がなくなってしまったり、結果としてベンチャーキャピタルや他の株主が…

上場と資本政策(1)

設立当初からお世話になってきた会社が20日に上場しました。 もう8年前になりますが設立当初、社員数名のころからのお付き合いですので感慨深いものがあります。現在の社員数は100名を超えていると思います。 早いもので事務所を持って、もう10年に…

危ない会社の見分け方

・売上が増えてないのに、売上債権が増えている →不良債権を損失計上できていない・売上に比較してやけに在庫が多い →不良在庫や架空在庫が計上されている・多額の仮払金や立替金が計上されている →経理が混乱して何の支出か分からなくなっている・人件費に…

売上管理と損益計算書

関与したての若くて、優秀な経営者の方に損益を説明していると、よく指摘されることがあります。 「損益計算書に計上されている売上高は間違っている、私の把握している売上と全然違う」と仰るのです。 「じゃあ、社長はどのような資料で売上を把握している…

ここが変だよストックオプション税制

ストックオプション制度とは、会社が取締役や従業員に対して、予め定められた価額で会社の株式を取得することのできる権利を付与する一種のインセンティブ制度です。取締役や従業員は将来、株価が上昇した時点で権利行使を行い、株式を取得し、株価上昇分の…

遺言書の作成と遺言執行

ある若手経営者と私の会話です。経営者は私よりも一回り以上年下です。社長「栗山さん、私に何かあったときのことを考えて、遺言を作りたいと思うのですが、まだ早いですか?」」私 「遺言と遺書は違うそうです。遺言は遺書と違って元気なときにつくるものだ…

EVA(経済付加価値)って何だ?

ある企業グループ。親会社の山田社長と子会社の鈴木社長の会話です。山田社長「鈴木さんが社長になって3年目だね。業績はどうですか?」鈴木社長「お陰様で、順調です。売上高に対する純利益も3%になりました。業界平均から考えると及第点だと思います。…

減損会計とプロ野球

あるプロ野球の監督とバッティングコーチが小声で、何やら話しています。監督「おい、ところでさあのK選手って契約金、いくら払ったんだっけ?」 コーチ「確か・・5億円でしたね。」監督「いままで、いくら稼いだと思う?」 コーチ「う〜ん。1億円くらい…

黄金株 よくわからんよ

現在の商法第二編の会社、商法特例法、有限会社法を整理、統合して「会社法」が成立して2008年5月以降施行予定なのは、ご存知の方も多いと思います。「有限会社がなくなる」「資本金は1円でもよくなる」 「取締役1人でも会社が設立できる」 など新聞…

会計と税法は仮面夫婦

会社の貸借対照表は、資産・負債・資本から構成されています。 ごく単純化して表現すると、資産とは現金や将来現金に換えることができるもの。 負債は将来現金で支払わなければいけないもの。 資本は資産と負債の差額で会社を止めたときに現金として残るはず…

リース会計 どう変わるの?

会議の最中にH氏から携帯に電話です。休憩時間に折り返します。通話中です。何度も発信して会議開始2分前に、やっとつながります。私 「栗山ですが・・。」H氏「あっ、どうも、どうもHです。すんません、それでリースの会計基準が変わりそうだと聞いたの…

DCF(現在価値)の考え方

ある会社の社長と企画室長の会話です。社長「例のMA(買収)の件、室長は、買うとしたらいくらだと思う?」室長「純資産価値の5億に営業権というところでしょうか・・。」社長「営業権の算定は、どう考える?」室長「そうですね・・。予想経常利益の3年…

恒久的施設(PE)ってなに?

租税条約は、何回読んでも難解に感じます。 例えば、分かりづらい言葉に恒久的施設という言葉があります。 日本は現在45ヶ国の国と租税条約を結んでいますが、そのすべてに恒久的施設(英語では”permanent establishment”)の規定があり、恒久的施設がなけ…

史上最低の事業承継対策

あるところに、かなり御高齢のおじいちゃんが住んでいました。おじいちゃんはある地方都市の大地主で、たくさんの土地やマンション、貸家をもっていました。 常日頃、おじいちゃんは、自分に何かあったとき身内で相続争いが起こるのではないかとたいそう心配…

経営革新・ここだけの話

創業間もない若手経営者との会話です。私のお客様は若い方が多いです。会合などで、最年長だったときは、少し淋しい気持ちになります。社長「なんでも中小企業新事業活動促進法とかいうのがあって、経営革新経営計画を承認してくれるそうですね。栗山さんは…

国際税務とは何か

税理士も税務署の職員も苦手にするのが【国際税務】です。国際税務とは、事業や取引が国内だけでは完結しない取引を総称する言葉のようです。具体的には、日本国で考えると下記のような取引についての税務が【国際税務】といわれて います。 1.日本の会社…

いこか もどろか

関与させていただいて間もない会社の経営者と、今後の見通しについて打合せをしていました。 文化的な色彩の強い、イベントの興業などを主催している会社です。社長「この商売は利益が出るような商売じゃないんです。先月も赤字でした。でも社会に貢献してい…

月次決算書は何のためにつくるのか

Q月次決算をすると業績はよくなりますか?A月次決算をするだけでは業績はよくなりません。 業績をよくすると月次決算の数字がよくなります。Qそれじゃ、意味ないですね。今まで会計事務所がやってた作業を会社でや ることになるだけです。そんなことする…

帳簿残高と実際残高

もう10年以上前の話です。関与したばかりの会社で決算作業をしていました。入社したばかりの経理職員が私の席に飛んできます。新入社員「前月の現金出納帳ですが、出金の合計額が違ってます。」間違いを見つけて、少し自慢げです。私「そんなはずないよ。…

内部統制・何をすればいいの?

ある会社の経営企画室長との会話です。室長「公開準備をしていると、証券会社の担当者に“内部統制の仕組みができていない”と指摘されました。内部統制って何でしょうか?」私「教科書には“多様な個人や機能がひとつの組織体の中で、営業活動を継続していく仕…

番外編 国際税務・そりゃ大変!

ある会社の経理部長との会話です。 部長「昨年、香港の会社から土地を買ってマンション を建てたのですが、税務調査で、調査官に源泉 徴収もれだと指摘されたんですよ。」少し動揺している様子です。私 「購入価格はいくらだったんですか?」 部長「2億5千…

裏上場ってなんだ?

裏口入学という言葉は、聞いたことがあると思いますが『裏上場』という言葉があります。上場関係の仕事をしている証券会社や監査法人の方などが、ときどき口にします。 『裏上場』とは、実際の上場審査基準は満たしていないのに上場手続きを踏まずに、実質的…

番外編・写真について

このブログにアップしている画像はYT氏が撮影した写真です。 YT氏の写真は、なんとも心が和みます。 仕事が一息ついたときに、眺めています。私の好きな写真家に岩合光昭さんがいます。 彼の写真展は何とも表現できない臨場感があります。 機会があった…

三位一体改革と源泉徴収制度

“三位一体”とはもともとキリスト教の教義からきた言葉です。井沢元彦さんの『ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座』によると一神教のキリスト教においてイエスを神とするとエホバとイエス、神が2つになってしまうため、その矛盾を解決する考え方だそうです…

IRR(内部収益率)って何だ?

ある会社の社長と事業部長の会話です。 社長「ところで君のところの新規事業は儲かっているのかね?」 事業部長「もちろん儲かっていますよ!!もう年間の利益が1億円です。」 社長「そうかね・・・。ところで、いままでどれくらい投資したかね〜?」 事業…

月次決算 上には上が

外資系のアカウティングファームに勤務していた頃の話です。 私は今も昔も、かなりせっかちです。月ごとに決算を組むことを月次決算といいます。せっかちな私は、お客様には月末10日以内に決算を締めるようにお願いしています。 あるときアメリカメーカー…

続・ある経営者との会話

前回の経営者との話の続きです。起業したてのある若手経営者と話をしていて前回の会話を思い出し、少し偉そうに知識を披露します。私「社長、将来は上場を目指しましょう。まず、年間1億か2億の利益を出せばいいんですよ。月に5千万円売って4千万使えば…

ある経営者との会話

もう随分昔の話です。長い突き合いになった経営者との会話です。既に何社も経営されているのですが、また新しい会社を起こしました。経営者「先生、今度の会社の初年度は売上が12億円で利益を2億円だします。」私 「す、すごいですね。でも、そんなに利益…