2007-01-01から1年間の記事一覧

信じられない時の迅さ

もう年の瀬です。 今年最後のブログになります。 1年過ぎるのが、とにかく早いです。 何かの本で読んだのですが、人は生理学的に「歳を重ねるほどに時の流れを早く感じるように」できているそうです。 じゃあ、これからますます早くなる・・ということです…

税制改正大綱

自由民主党から平成20年の税制改正大綱が出ました。 ご存知のように参議院での与野党逆転という背景があるので、今年は無茶な改正はないだろうと思っていましたが、想定通りでした。 2年前のオーナー会社に対する極端な増税の改正など自民党が強すぎると…

またもやリース会計(驚いた)

このブログ、ここんところアクセス件数がやけに増えてます。 新書(新社会人のための経理の仕事)の売れ行きが急増しているため・・とかなら嬉しんだけど、そんなんでもなさそうです。 なんでだろ?と思っていたのですが、ログを調べると「リース会計」とか…

印紙税の調査(後半)

前回の続きです。 さすがに請負契約書の印紙税については猛烈に調べました。 でも、調査官からは、さっぱり連絡がありません。 1月もたって、やっと電話連絡がありました。調査官「先日の調査の件ですが法人税は特に問題はありませんでした。印紙税の件です…

印紙税の調査(前半)

印紙税は一見易しい税法のように思えますが、これがまた難しいです。 日本では易しい税法はない・・・というのが私の実感です。 税務の仕事に携わってもう20年以上なのですが、税務判断をするときには悩みに悩みます。 でも、悩んでいるのは税務署も同じよ…

信託って何

信託法が85年ぶりに改正されたことは、以前書きました。 日本の信託の歴史が85年もあることに驚いたのですが、信託を勉強してみると、それどころではないことが分かります。 そもそも「信託」の起源は12世紀ごろに十字軍で出征しなければならなくなっ…

負担付贈与

Aさんから相談を受けました。Aさん「オヤジが先祖代々から引き継いできた田舎の土地をくれるといってます。贈与税が高いですよね、どうすればいいでしょうか?」私「一定の条件を満たすときは相続時精算課税という制度があります。相続税評価額で2千5百…

ブルーな気持ち

銀行、証券、監査人、合併、統合繰り返し みんな個性がなくなった ダイエー潰れ、西友破綻、そして古くは長崎屋 三沢千代治も会社を追われ、創業者は浮かばれず ライブドアはあだ花で グッドウィルは枯れ尾花 古くは元リク江副さん 楽天、ソフバンいつまで続…

倒産隔離

こんどは信託法が改正されました。 大正11年に成立した法律だそうです。 大正11年生まれの方は85才。そんなに歴史のある法律とは知りませんでした。 私は信託法はあまり詳しくないのですが、信託の効果で重要なのは「倒産隔離効果」だそうです。倒産隔…

リース取引の会計と税務(2)

前回の続きになります。 さて新会計基準の原則が適用になる場合ですが、リース会計を適用する初年度に、それ以前のリース契約についても遡ってリース資産を計上しなければいけないそうです。 具体的には、リース資産の取得価額相当額と減価償却相当額を算定…

リース取引の会計と税務

リース取引の会計と税務が変わります。 会計上の費用計上のイメージは以下の3通りになります。 1原則(利息法):リース料のうち利息部分を毎期逓減するように計上 2原則(定額法):利息部分を毎期同額にして計上 3特例(中小企業、少額・短期のリース…

□い頭を○くする

20代のころの私は、驚くほど無知で生意気で、礼儀知らずで「ちんぴら」でした。若気のいたりというやつですね。 因みに、当時、職場の先輩が何かの辞書で「ちんぴら」を引くと「偉くもないのに、偉そうな不利をしている輩(やから)」とあったそうです。 …

資産を健全にする

ある社長「我が社の決算書はこの通りです。やっと利益が出ました。」ある税理士「そうですか。ところで固定資産や在庫が随分、増えてますね。」ある社長「そうなんです。固定資産は金型なんですが、商品点数が増えるとどうしても増えます。在庫は特注品とい…

会社法と金商法

昨年からずっと、いまも、会社法の解説書を読んでます。商法と比較して、とにかく純資産の部(私は商法の「資本の部」の名称の方が好きです)が複雑になりました。 所謂、ファイナンスの自由化と国際化の影響だと思います。 でも、まだ実務では上場会社の端…

コンバージェンス

以前「包括利益」について書きましたが、最近の会計基準の動向と古くからある損益計算書の考え方を少し混同した記述になってしまっていたことに気づきました。 後者は「当期業績主義損益計算書」と「包括主義損益計算書」というふたつの損益計算書の考え方で…

M&A

合併や分割、株式交換などを組織再編と総称しますが、組織再編の会計処理は2通りあります。 資産や負債の簿価を引き継ぐ「持分プーリング法」と、組織再編を会社の買収と考えて資産や負債を時価で評価し直す「パーチェス法」です。 日本では長らく「持分プ…

中小企業の再生支援

お客様の繁栄を一番の喜びとして、事務所を営んでいます。きれい事ではなくこれは本心です。当事務所の経営理念は以下の通りです。「わたしたちは、経営者の本当に役に立つ会計、税務、経営管理を追求するとともに、会社の経理の人材を育て、ともに研鑽し、…

管理は後からついてくる

1970年代の話です。民社党という政党があって春日一幸という人が委員長でした。 演説が独特の口調で、なかなか味がありました。その春日さんの有名な語録に「理屈は貨車で後からついてくる」というのがあります。 たしか自民党が既成事実をつくっては、…

キャピタルゲインと会計学

若い頃、無職だった期間があります。僅かな退職金と社員持株会で購入した株式だけが生活の糧でしたが、最初は楽しくて仕方ありませんでした。 でも経済的裏付けがないので、時が経つにつれ、だんだん不安になってきます。 出費を抑えるために家計簿をつけて…

日本経済と毛沢東

野口悠紀夫さんの話では、日本は製造業中心の経済構造を変えないと、ひとり当たり生産性は伸びないそうだ。 製造業中心の経済である限り、要素価格均等化定理によって中国の製造コストとの競争になるため生産性が低くならざる得ない。 経済構造を金融など、…

連結財務諸表と税務

大半の税理士が苦手とするのが連結決算です。法人税にも「連結納税」という制度がありますが、同じ連結でも「連結会計」と「連結納税」は似て非なるものです。 逆に税理士実務をしていない公認会計士の方は「連結納税」が不得意なようです。否、これは、普通…

リースってなんだ?(2)

リースが金融取引だというのが前回までの話でした。 そうするとリース会社からお金を借りて固定資産を購入したと考えるのが正しいことになります。今までの会計基準や税法も原則的な考え方は金融取引でした。 ただ一部の例外的なリース契約は、賃貸借として…

リースってなんだ?

リース取引の会計基準が変わることになり、会計や税務の実務がまた難しくなります。 減価償却制度が2007年4月取得資産より大幅に改正されて、次はリース資産です。2008年4月以降のリース契約から会計基準や法人税、消費税の取扱が変わることになり…

PBRとPER

株式相場を見ていると、分からないことがたくさんあります。税理士は現在の株価が安いか、高いかを考えるときにPBR(1株当たり純資産)で考えます。 PBRとは、単純に表現すると現在の解散価値といえます。税理士だけでなく外資のファンドなども、この…

またもや在庫の話

いつだったか在庫について書きました。何を書いたか忘れてしまったので、少しだぶるかも知れません。 倉庫や工場にある商品、原材料、製品などを在庫といいます。倉庫にあるのは作ったのにまだ売れていないモノ、工場にあるのはまだ出来上がっていないモノで…

連結経営と日経平均

会計制度が単体決算から連結決算中心になったのは2000年3月期からでした。 連結決算とは、資本的な企業集団をひとつの会社のようにみなして貸借対照表や損益計算書などの決算書を作成して経営成績や財政状態を把握する会計制度です。 導入当初は、制度…

税金の話

税理士のブログなのだから、税金や税法の話をしなくちゃ・・と思うのですが、つい他の話題が多くなってしまいます。 随分、昔に読んだジョーク集にこんな話がありました。ある国(たしかロシア)で役人が国民を集めて税金の説明をしました。説明が終わって、…

会計学と価格

会計や税務で一番難しいのが「適正な価格」です。上場株式のように取り引きされる価格がある資産はいいのですが、ほとんどの資産は客観的な価格はありません。 でも適正な価格を計るのは不可能だとあきらめてしまうと儲けを計算したり、財政状態を把握するの…

流動資産って何?

資産とは、会社が持っている財産のことで、現金・預金、製品、原材料、土地・建物、機械、車両などさまざまなモノがあります。 資産を大きく分けると、流動資産と固定資産及び繰延資産になります。流動資産とは、流れて動く資産と書きますから短期間のうちに…

組織再編は複雑

合併や分割、株式交換、事業譲渡などを総称して「組織再編」といいます。合併とは2つ以上の会社がひとつになることです。 こう書くと簡単に聞こえますが、男女の結婚さえ大変なのですから、ふたつの大きな会社がひとつにるのは大変です。形はひとつになって…