上場と資本政策(3)

カワセミ 撮影YT氏

 前回、資本政策の要諦は、安易に安く株を持たせないことにつきる、と書きました。私の経験では、資本政策は会社設立当初に破綻していることが多いように思います。
 
 通常、未公開株式の株価は「純資産価額」で考えます。
「純資産価額」とは簡単にいうと、会社を清算したときに株主に戻ってくるお金です。
資本金1千万円で設立したときは、会社を清算すると1千万円戻ってきますので純資産価額は1千万円です。

 それに対して株式上場の世界は、将来価値で考えます。
現在の資本金1千万円が将来は50億円ぐらいになったりする世界です。

仮に設立時の株式100万円を誰かに売ったとすると、その株は数年後に5億円になってしまったりする訳です。

上場準備前に、第三者の持株比率が多いと、資本政策を考える上で大きな成約になります。

もっとやっかいなのは「共同経営」で持株が分散している場合だと思うのですが、この話は次の機会にしたいと思います。

【今回の推薦本】

佐野眞一業界紙諸君」(筑摩書房

先日、八重洲を歩いていたら「八重洲画廊」という美術商がありました。

「どこかで聞いたことがあるな〜」とずっと気になっていたのですが、この本を読んでやっと思いだしました。

 たしか昨年末に元社長の有罪が確定したイトマン事件にも関係していた記憶があるのですが、住友銀行に吸収合併された平和相互銀行の巨額乱脈融資事件がありました。

その幕切れに「金屏風購入事件」というのがありましたが、その屏風を売ったのが八重洲画廊だったんですよね。

どうでもいいですが・・。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480035338/250-6769542-9805025

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