課税要件

アトリ撮影YT氏

 腰痛がなかなか完治しません。
もう3週間です。
ストレス解消のためのエクササイズがさらにストレスを創ってしまいました。
これを「年寄りの冷や水」といいます(笑えない、自虐ギャグですね)
 ということで年末というのに、気分が優れません。
今日のブログは堅くて面白くないですよ(いつもだろ!)

 やっと税制改正大綱が出ました。特殊支配は土壇場で廃止のようです。
 さて本題。
 ある弁護士の話では、弁護士の世界では「憲法違反だ!」と主張すると、相手方の弁護士は「ニヤリ」とするそうです。
何でも「憲法」は法律の最高規範なので、他の法律違反を主張できずに、法律根拠に行き詰まったときに縋るのが憲法だからだそうです。
 ところが税理士が頼りにするのはいつも憲法です
(偶には税務職員との人間関係が頼り・・という方もいますが・・)
その条文は憲法第三十条と第八十四条です。
第三十条  国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
第八十四条  あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
 第三十条は一般に「納税義務」の規定ですが、逆に読むと「法律の定めがない場合は、納税しなくてもよい」ということです。
 八十四条は一般に「租税法定主義」といわれています。
つまり課税できるのは法律に定めがある場合だけで、税法解釈の通達や税務当局のQ&Aでは課税できないということです。
 この条文に頼らないと税理士はやっていけません。
税法に課税するための要件が規定されていて、取引の事実関係がこの要件を満たしているか否かを判断するのが「税務判断」ということになります。
 この視点で税法の第一条を読むと、どの税法も似たように規定されている理由がわかります。
所得税法第一条 この法律は、所得税について、納税義務者、課税所得の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続、源泉徴収に関する事項並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。
法人税法第一条 この法律は、法人税について、納税義務者、課税所得等の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。
相続税法第一条 この法律は、相続税及び贈与税について、納税義務者、課税財産の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。
消費税法第一条 この法律は、消費税について、課税の対象、納税義務者、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続並びにその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。
 お〜!今回は固い!まるで税理士のブログだ!
 ということで本年はこれが最後のブログになります。
来週と再来週は年末年始でお休みします。
みなさん、よいお年をお迎えください。
【今回の推薦本】
新井喜美夫著「転進 瀬島龍三の遺言」
 「不毛地帯」で唐沢寿明が演じる壹岐正のモデルがご存知「瀬島龍三
ということで…瀬島龍三の実像が知りたくなって、この本を購入しました。
 といっても読んでみたら本書は瀬島龍三の伝記というよりは「瀬島龍三を通じてみる現代史」でした。
本書や半藤一利の本を読んでいると、「明治維新」は功罪あるが「はるかに罪の方が多かった」という歴史観が正しいような気がしてきます。
 中年(?)は、どうしても司馬遼太郎の著作に多大に影響されていて、勝海舟坂本龍馬日露戦争を美化する傾向が強いのですが、よくよく考えると病根は明治維新にあったということなのでしょうか。
そして、その病は現在の官僚制に続いているような・・・。
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(このブログは木曜日に更新予定です)