申告納税制度の始まり

ルリビタキ(幸せの青い鳥だそうです)

 わたしが生まれるずっと前のはなしです。
 2.1ゼネストといわれる事件がありました。
 昭和22年に官公庁の賃上闘争のために結成された全官公庁労組共同闘争委員会が、吉田茂内閣との対立を深めて、六百万人のゼネスト突入を宣言する。
労働運動を支持してきたGHQがこれに介入してマッカーサーゼネスト禁止命令を出す。
 委員長の井伊弥四郎が涙ながらに「一歩退歩、二歩前進」とラジオ放送で叫ぶ。
 歴史書に出てくる一コマです。
 成蹊大学名誉教授の武田昌輔の話では、この事件が日本の申告納税制度の始まりだそうです。
「税務署の労働組合もこれに参加することを企画しており、税務機構は麻痺していました。
“ストに突入しては大変なことになる”と考えた政府はそこで“慌てて”申告納税制度をつくった」
そうです。
 思えば、それから、もう60年以上経過しました。
 こどもと同じで生まれた経緯はともかく(おい、そんな形容していいのかよ!)、健やかに育って、いまでは、みんなに愛される納税制度になりました。
 これ、ほんとです。
 税務署と国税局のみなさん、まじめにやってるので税務調査には来なくていいですよ(どういう結論だよ!)
 【今回の推薦本】
 日垣隆著「秘密とウソと報道」
 そういえば、むかし、むかし新聞局の局長とやらをしていたくせに、まともな新聞をつくった記憶がない。
そんな私がいうのも口幅ったいが「なぜ新聞の解説や社説は、あんなにつまらないんだろ」と思っていたが、この本を読んで理由が分かった気がする。
 あわただしい日常の中で、われわれは、どうしても「紋切り型の報道」をそのまま鵜呑みにしてしまう傾向があるが、この本は、その報道のあり方を鋭く問う本だ。
 われわれは、どうしても報道する側の事情や情報源までは考えない。
でも、とんでもジャーナリストや虚言癖のある証人は巷にあふれているし、ご都合主義の主張やこじつけが異様に多いのも報道の世界。
 こういう本を読まないと、事件の事実関係は見えてこない。
Amazon CAPTCHA
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)