経営者は節税できるか(その1)

シマフクロウ撮影YT氏

 今日はベリベリビジー。でも書きます。早速、本題。
はじめに
 誰しも余分な税金は払いたくありません。
 でも「うまい儲け話」が、ほとんど詐欺のように「自分だけが得をする節税策」はありません。
 巷には節税をうたった本が星の数ほどありますがほとんどが「使えない」か「みみっちい節税」で期待外れのものしかありません。
 「実効的な節税策は限られている」のが現状です。
 この文章も「奇策や妙案はほとんどない」という前提で読んでいただけると助かります。
(逆に「奇策や妙案」をもってくる方は、ほとんどが報酬目当ての脱税幇助者です)

壱 個人が節税するということ
 個人が負担するのは所得税と住民税です。
 住民税は所得税が決まると自動的に決まります。
 従って所得税の計算方法を知らないと節税できません。
 所得税は下記の算式により計算します。
 (所得金額−所得控除)×税率−税額控除=所得税
 税率は所得が大きくなると大きくなります。これを総合課税方式の累進課税制度といいます。
 ただし、この算式にはいってこない所得があります。
 この算式に入ってこない所得を分離所得課税の所得といいます。
 分離課税となるのは下記の所得です。
 利子所得、上場会社の配当所得(注1)、株式の譲渡所得、退職所得、不動産の譲渡所得
分離課税の所得は、大雑把にいうと下記の算式により計算します。
分離課税の所得×税率=所得税
総合課税と違って税率は一定の税率です。高額所得者の方は分離課税の方が税率が低くなります。
 税率は法定されているので、この算式から節税策は下記の3つの方法しかないことがわかります。
1.所得を減らす
2.所得控除を大きくする
3.税額控除を大きくする
 もっとも、よく考えると奥の手として、会社経営をしている高額所得者は次の選択肢もあります。
この方法は、長期的な節税方法になります。
4.総合課税の所得を少なくして分離課税の所得を多くする
 次に考えられるのは、所得税だけではなく法人税もからめて税金を考える方法です。
この方法は、会社を利用して節税する方法です。
5.会社を利用して会社や家族に所得を分散する
これで節税の方法は5つになりました。
では具体的に考えてみます。
注 1.上場会社の配当でも持株比率が5%以上だと総合課税になります
(次週に続く)

【今回の推薦本】

 上杉隆著「宰相不在」
「官邸崩壊」以降、上杉隆の本は確かに売れているようだ。いつも書店で平積みになっている。腰巻き(はるか昔、たしか「面白半分」という雑誌が「腰巻き大賞」というのをやっていた。懐かしいな〜。うん?「話の特集」だったかな?)に「気鋭のジャーナリストによる過激で真っ当な最新時論集」とあるが、確かに「気鋭」の感がある。
 取材姿勢が緻密で、ジャーナリストとしての視点にぶれがない。それに比べると、本書で指摘されているNHK出身の某ジャーナリストは、かなりいい加減だ。
 それにしても「気鋭のジャーナリスト」に指摘されるまでもなく、日本にリーダーが不在なのは、国民共通の思いではないだろうか。
 2世、3世議員がはびこるのは何故か。
 実はこの背景にも「税金の制度」があるそうだ。政治資金を無税で相続するための政治家ばかりというお寒い現状が日本の政界なのかも知れない。

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(このブログは毎週木曜日に更新予定です)