税理士は、税の専門家。でも集められた税金を無駄遣いしないで、世のため人のために使ってくれているかどうかは、また別の人の(例えば会計検査院とか、国会とか、はてまた何とかオンブズマンとか)お仕事なわけだ。
ここんとこで、私は相当なストレスがある(できれば、やりたや官庁の税務調査)
財務省のホームページをみると、いつのまにか日本の健保・年金などの社会保障の財政は100兆円になってしまった。このうち保険料で賄えているのは約半分の50兆円でしかない。でも、まだまだ増える。
税金で負担するにしても、国の税収は全部で約50兆円(地方税を含めない国税だけの話)くらいしかない。このままでは、どうやっても制度が維持できないわけだ。
じゃあどうやって社会保障のコストを抑制するかっていうんで厚生省の考えたのが「メタボ検診」。つまるところ「医療費が増えて困るんで、国民は病気にならないようにしなさい」ってこと。
これは健保年金の保障を削減するか、増税する以外は弥縫策しかない(または、やる気がない)ことを暗示している。だってメタボ対策をしたって人はいつか病気になって死ぬんだから医療費削減になる科学的根拠はな〜んにもないと思う。
厚生省の政策立案能力が信用できないことは、いみじくも現在の社会保障制度をみれば一目瞭然とは言い過ぎか。
介護保険だって導入当初は「これで保険料が削減できる」という説明だった。現状はご存知の通りで支出が増えるばかり、もう7兆円にもなっているが天井は見えない。
その社会保障負担の上に、利息だけでも年間10兆円という国債費がのっかっている。これじゃ埒があかないが社会保障を削減しようとすると内閣が潰れる。マスコミも冷静な分析なしの感情論ばかりで、政策不信を煽る。
社会保障制度の改革をしようとすると政権が潰れてしまうんだから、できるはずはない。かくて残された手段は、「消費税と相続税や年金に対する増税のみ」というのが日本の税制改革の現状じゃなかろうか。
これってサラ金にはまった家計に似てる。
奥さん(厚生省)が上手にやりくりしてくれているはずだったので、家計を任せてきたら貯金もせずに散財(社会保険料の流用)していた。
だんな(政治)が少ない給料を、ギャンブル(公共事業)でなんとかしようとサラ金(国債)に手を出してしまい返済に追われている。
健康で裕福だった親も高齢になって病気がち、介護付きの老人ホームにはいらなきゃならないので生活費(後期高齢者の保険料)を負担してくれない。
だんなも健康がすぐれず医療費も嵩む。家族全員(国民)で、稼ぐ(納税する)しかないけど、働いても、働いても生活が楽になるわけじゃない。
「なんで、こんなに生活費がかかるようになったの?」って感じ。
ここで一句 「まだ足りぬ 払い払いて あの世まで」
【今回の推薦本】
昔は宗教の話は大嫌いでした。梅原猛さんの本も読む気になりませんでした。でも社会経済や、歴史は宗教を勉強しないと理解できないようです。
最近は「宗教ってなんだろ」と考えるようになってきました。日本人にとって最も身近な宗教はもちろん仏教。
仏教といえば、やはり梅原猛さん。この本は梅原猛さんが中学2年生に行った授業を再現した本なので、とにかく分かりやすく、かつ奥が深いのが特徴です。
聖徳太子、空海、最澄、そして鎌倉仏教の法然、親鸞、一遍かたや日蓮そして道元、栄西・・。大乗仏教の歴史は、日本の歴史そのものといえます。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)