Aさん「昨年、住宅を購入しました。税金が安くなるんでしたよね」
私「住宅借入金等特別控除という制度のことですね。銀行から借入をして住宅を買った場合に税金の控除を受けることができる制度です」
Aさん「そうそう、それです。で、どうすれば受けられるのですか」
私「最初の年は確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で還付してもらうこともできますよ。確定申告に必要な書類は・・・」
Aさん「必要そうな書類は、すべてここにまとめてあります」
私「じゃあ拝見します。・・・・れれれ?この借入金の残高証明、借入人がAさんと違っていますね」
Aさん「あ〜それね。私では所得が足りないと銀行にいわれて、借入名義人は女房にしてもらったんですよ。でも毎月私から女房に払ってますよ」
私「え〜、それじゃ駄目なんですよ。住宅借入金等特別控除は家屋の取得資金に充てるための借入金で償還期間が10年以上のものについて、その年12月31日に残高を有する・・というのが条件なんです。Aさんは場合は控除を受けられるのは奥さんになりますね」
Aさん「(むっとして)だって銀行が女房名義にしないと貸してくれなかったんです。家屋の名義も私の持分が90%です。女房には、私がちゃんと払ってます」
私「おふたりで返済する連帯債務だったら受けることができたのですが・・
実は、こういうトラブル多いんですよね。
あれ?そういえば以前相談されたとき連帯債務にしてくださいと言いましたよね?」
Aさん「あっ、そういえばそうでした・・」
【今回の推薦本】
吉見宏著「ケースブック監査論 第3版」
「監査論」というと「難解で面白みのない本」という印象がありますが、この本は監査論の入門本として最適です。
監査の歴史は、「不正な会計に対応してきた歴史」ともいえそうです。それだけに過去のケースから監査論を学ぶ本書は、面白く、格好の教材になっています。
大日本製糖、雅叙園観光、日本コッパース、山陽特殊製鋼、興人、三田工業、大光相互銀行、住友商事、大和銀行、なみはや銀行、ロッキード事件、日本債券信用銀行、北海道監査委員事務局、チッソ、そしてエンロン・・。
これらの不正を読んでいると、ライブドア事件なんて可愛いものに思えてきます。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)