もう何回か触れたリース取引と消費税の話です。
もう一度、問題点を整理します。
少額リース取引と中小企業には特例で、従来通り「賃貸借処理」が認められます。
これで法人税は税務と会計が一致します。
でも税務上は、あくまでリース取引は「資産の取得」となるため消費税法上はリース契約時に課税仕入を計上する必要があります。
会計を通さずに消費税だけで処理するのは困難なので、相当複雑な会計処理になってしまいます。
この問題について、実務家の間では「何らかの手当がされて、何の影響もないのではないか」という話が出ていましたが、私は大いに疑問でした。
最近は会計と税務が乖離する一方で、それに対して当局が手当してくれない傾向が強くなってきたからです。
「そんなの税理士とコンピューターに任せとけ。会計より税務の方が偉いんだ!」とでも思っていたりして・・。
「案の定」というか「やっぱりかよ」と嘆くべきか、最新(NO2999)の週間 税務通信に下記のような記事が記載されています。
「仕入税額控除の時期について,改めて当局に取材したところ,法人税及び所得税の規定上,リースが売買となる以上,消費税について,特段の通達改正を行わなくとも,現行の取扱いで引渡しを受けた時点で一括となることが再確認された」
ご丁寧に見出しは「課税期間ごとの控除では課税上弊害あり」とあります。
「実務家はつらいよ」と嘆いていても始まりません。
それでは、具体的にはどうやって「仕訳」すればいいのでしょうか?
この続きはまたの機会にしたいと思います。
【今回の推薦本】
橘玲著「亜玖夢博士の経済入門」
橘さんの新作ですが、これまでの本とは、やや趣を異にしています。
これまでは「マネーロンダリング」のようなシリアスな小説もしくは「お金持ちになれる黄金の羽の拾い方」のような経済社会の実相を冷めた目で語るノウハウ本(解説本)のいずれかでした。
今回は藤子A不二雄の「笑うセールスマン」のようなブラックユーモアとショートショートの星新一の作品を足して2で割ったような雰囲気の物語です。
「経済のオモテもウラも知り尽くした著者がおくる極上の物語 読んで笑える、楽しく学べる、怖くて身につく1話1理論」だそうです。
読んでみませんか?
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)