少額リース資産

コチドリ 撮影YT氏

経理担当者A「パソコンとコピー機と電話設備をリースにしたら、リース総額が350万円になったんですよ」
税理士B「ふむふむ」
経理担当者A「それで会計監査で担当者に“この契約は資産計上しなきゃいけません”といわれたのですが・・・」
税理士B「えっ?随分厳しいことをいうね。少額リースの特例は使えないの?」
経理担当者A「今年から会計制度が変わったので駄目だって」
税理士B「なんで?」
経理担当者A「リース契約が300万円を超えてるし、中小の特例は将来、会計方針の変更になるので駄目だっって」
税理士B「リース契約の総額は300万円を超えていても、個々の資産では300万円以内ですよね」
経理担当者A「一番高いのがコピー複合機で150万円ですね」
税理士B「う〜ん。担当の方が誤解してるんじゃないかな〜」

「リース取引に関する会計基準の適用指針35(3)」には少額リースについて下記のように記載されています。
「企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引で、リース契約一件当たりのリース料総額が300万円以下のリース取引。
なお、1つのリース契約に科目の異なる有形固定資産又は無形固定資産が含まれている場合は、異なる科目ごとに、その合計金額により判定することができるものとする。」

 蛇足ですがこの場合の科目は「勘定科目」という意味ではなく「いくつかに分けたそれぞれの項目」という意味ですね。
【今回の推薦本】
 大武健一郎著「大変!その原因と対応」
「大きな変化」という潮流の真っ只中に向かっている。だから「大変」なのである。
その始まりはサブプライムローン危機ではなく、「グローバル化」と「人口の減少」なのだ・・・そうだ。
 筆者は主税局長、国税庁長官を歴任した税の専門家だけに会計と税に関する知識と経験、透察力は凄い。
 社会に偽装倒産がはびこっていたためルイ一四世が「会社が倒産したとき、複式簿記の帳簿を裁判所に提出できなければ死刑に処す」という商事王令を発布した。
 それが体系化されたのが「ナポレオン法典
 ヨーロッパの経営者は、この複式簿記を学ぶことによってマネジメントを発達させた。
・・・ふ〜ん。そうだったんだ。
日本でも戦後、商業高校ができて中小企業にまで複式簿記の帳簿が普及したことが経済発展に貢献しました。
 それにしても日本は「罰則が死刑」じゃなくてよかったですね。
http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E5%A4%89-%E2%80%95%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A8%E5%AF%BE%E5%BF%9C-%E5%A4%A7%E6%AD%A6-%E5%81%A5%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/4761265914/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1240544788&sr=1-1
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)