なんか無性に坂口安吾が読みたくなって、いつもの書店で「堕落論」を購入した。
「僕は日本の古代文化に就て殆ど知識を持っていない。
ブルーノ・タウトが絶賛する桂離宮も見たことがなく、玉泉も大雅堂も竹田も鉄斎も知らないのである」
「日本文化私観」で始まるこの書をめくると、わたしがあこがれたかつての文学の世界が広がっていく。
ついでに「堕落論」
「半年のうちに世相は変わった。醜(しこ)の御楯(みたて)といでたつ我は。
大君のへにこそ死なめかえりみはせじ。
若者達は花と散ったが、同じ彼等が生き残って闇屋となる」
こういう文章を読んでるとブログをかく気が失せてしまうが、うん、さて本題。
法人税を勉強して、わかったようでわからないのが「法人」です。
法人ってなんでしょう。
法人を分解すると「法律の人」となります。
「法律の人」ということは「法律がなければ人じゃない」ということですね。
つまり法人とは「法律によって人格を与えられたもの」という意味のようです。
じゃあ、どの法律で定めているかというと民法だそうです。
「法人税法」じゃありません。
民法の33条にこうあります。
1 法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
2 学術、技芸、慈善、祭祀 [し]、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。
税理士の勉強ばかりしてると、案外こういう基本的なことに気付くのに何年もかかったりします。
税理士の税法知らず・・・。
【今回の推薦本】
野口悠紀雄著「未曾有の経済危機 克服の処方箋」
経済危機の本質は米・日・中の相互依存バブルの崩壊だった。
もはや円安バブルによる輸出主導型の経済成長に戻ることはできない。
今後、日本はどのように再生の道を歩まなければならないのか。
当面は公共投資を拡大させるしかない。
その後、内需主導型経済に産業構造を転換していく道しか残されていない。
危機克服のための処方箋をデータで実証しながら説明してくれる。
いつもながら野口さんの論理展開は示唆に富む。
いずれにしても、この経済危機で戦後経済の枠組みは完全に崩壊したようだ。
内需主導型の経済は介護や福祉、あるいは新しいエネルギー政策や都市のインフラ整備などを政治がリーダーシップを取りながら創り上げていくことになる。
う〜ん。リーダーのいない今の日本にできるだろうか?
いずれにしろ高福祉高負担型の経済社会に転換するしかないのは確かなようだ。
それが何を意味するか、というと、大きな政府ということだろうか。
市場主義者の私には残念だ。
ところで、私は野口さんの論調は好きだが、サブプライムの前と後では随分と主張に矛盾ある気がするのも事実。
ことほど、さように現実の世界は難しいということか。
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(このブログは毎週木曜日に更新予定です)