「儲け」がでなきゃ、理念もへったくれもないというのは厳然たる事実です。
もう何十年も前の私がまだ新入社員のころ。
不景気で会社が「コンティンジェンシープラン」というのをやっていました。
非常事態への対応計画とでも訳すんでしょうか。
・賞与は前年の半分
・残業は禁止(でも仕事が終わらないのでサービス残業)
・文房具は購入禁止(自費で購入するしかない)
・廊下は電気を付けず、オフィスも昼休みは真っ暗
・4階まではエレベーターの使用を禁止
学生気分が抜けておらず、依存心が強く、自立心の欠けていた私には、かなり衝撃的な現実でした。
基本給も安く貧困でした。
今でも昨日のことのように思い出します。
「何という会社に入ってしまったんだ!」と嘆き悲しみました。
何があっても生き残れる能力が欲しくて、彼女とも別れて必死に勉強しました。
これは本当です。当時の睡眠時間は3時間から5時間くらいでした。
でも今思うと当時の経営者は先見の明がありました(その当時は恨んでいましたが・・・・)
何年かするとその会社は危機を乗り越えて、驚くほど業績が改善しました。
賞与も雑誌のランキングや新聞に載るほどでした。
でも天の邪鬼な私は、賞与が高くなり始めると会社を辞めてしまいました。
会社人間で生きていく自信がなかったのです。
でも風の噂によると、その会社も、再びその苦しかった時代に戻ってしまったようです。
「禍福は糾える縄の如し」
危機のときにこそ人は成長します。
「今の時代はチャンス」だともいわれます。
いまのときこそ「自分を磨くチャンスだ」という意味でもあると思います。
「それでも静かに息をして、ただ前方の砂漠に向かう」
【今回の推薦本】
坂口安吾「堕落論」
坂口安吾や織田作之助そして太宰治。
いずれも私の生前に活躍していたデカダンのにおいがする文学者達。
もうデカダンという言葉も使われなくなってしまったが、あの退嬰的な文学の世界はなんとも甘美で不健康で危険で魅惑的な世界だった。
「人は堕落する。義士も聖女も堕落する。
それを防ぐことはできないし、
防ぐことによって人を救うことはできない」
http://www.amazon.co.jp/%E5%A0%95%E8%90%BD%E8%AB%96-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%9D%82%E5%8F%A3-%E5%AE%89%E5%90%BE/dp/4041100208/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1245200271&sr=1-2
(参考)
デカダン【(フランス)dcadent】
1 デカダンスの芸術家。また、その芸術上の傾向。
2 退廃的な生活をする人。また、退廃的。「―な風俗」
デカダンス【(フランス)dcadence】
1 19世紀末、フランスを中心とした文芸上の一傾向。虚無的、退廃的、病的な唯美性を特色とする。ボードレールを先駆とし、ベルレーヌ・ランボーらに代表される。退廃派。
2 虚無的、退廃的な風潮や生活態度。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)