「つまみ申告」って何だ?

トラツグミ 撮影YT氏

 賃貸用マンションを経営している「戸暮毛(とぼけ)金之助」さんのところに税務調査が入りました。
 何故か戸暮毛さんは調査の当日、体調が悪いと入院してしまいました。
 何も知らない娘さんと税理士の堅山厳蔵さんが立ち会います。
 調査官は目付(めつき)悪三という、いかにも遣り手風の方です。嫌あな空気が漂います。
「堅山先生、戸暮毛さんは随分とマンションをお持ちですよね」
堅山税理士「そうですな。随分たくさんあるので、今年から税理士に頼みたいというお話があって関与させていただいております」
調査が始まってしばらくすると、目付調査官が話かけてきます。
何故か表情が生き生きしてます。
目付調査官「ところで所得の内訳にあるサンセット池尻というマンションですが、賃借人は15人になってますね・・・・」
堅山税理士「ええ戸暮毛さんがつくってくださった内訳の通りです。それが何か?」
目付調査官「足りないんですよね」
堅山税理士「はっ?何のことですか」
目付調査官「ここは30世帯は住んでるはずなんです」
堅山税理士「えっ?仰る意味がわかりませんが・・・」
目付調査官「昨日、このマンションに行って表札を数えてきたんですよ」
堅山税理士「・・・(やられた〜)」
 こういう風に、自分に都合のいいように「一部の売上げだけで申告すること」を「つまみ申告」といいます。
 脱税は犯罪です。
 適正に申告しましょうね。
 ところで、今回のブログは、本当に、本当に100%フィクションです。
 誤解のないように・・・。
【今回の推薦本】
 高橋篤史著「兜町コンフィデンシャル 株式市場の裏側で何が起きているのか」
 ある日の株式の値上がりランキングを見ると「お馴染みの会社」がズラッと並んでいたりします。
「お馴染み」といっても業績のいい、有名な会社ではありません。
 お決まりなのは、第三者割当や新株予約件、SMCB等を駆使して多額の資金調達をしてM&Aを派手にやっていることです。ほとぼりが冷めた頃に上場廃止になっている。
 結局、損をしたのは一般投資家・・お決まりのパターンです。 
何ごとにも表と裏があります。
公正な市場経済は一朝一夕にできるものではないようです。
騙されないためには、表と地続きになっている裏の社会も知っておかなければなりません。
結びのことばが象徴的です。
 「浄化作戦はまだ途上であり、おそらく永遠に続けられなければならないだろう」  
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(このブログは毎週木曜日に更新予定です)