新年から、縁起でもない話題で恐縮です。
国税庁や国税局、税務署など税金を徴収する機関はというのは国家権力そのものなので(これは本当です。個人的には優しい人が多いですが)いろんな権限を持ってます。
「滞納処分」というと、よく意味が分からない方、同じ意味の「強制徴収」ということばにすると分かりますね。
中村うさぎの自虐的なエッセイには、よく市民税を滞納して、徴収官と交渉する話が出てきます。
ブランド品を買いあさって納税資金がなくなってしまったうさぎさんに、徴収官は「ブランド品をオークションにかけて」地方税を徴収しようとします。
一般の会社がそんなことをしたら、非難轟々です。もしビジネスローンの会社がそんなことしたらマスコミで袋だたきだと思います(うん?中村うさぎならそうでもないかな・・)
でも国や地方団体は「滞納処分」の権限をもっているので、それが許されます。
専門書では、滞納処分をこう表現しています。
「納税者の財産から租税債権の強制的満足を図る」
うっは〜すごい権利です。税金はちゃあんと納めましょう。
【今回の推薦本】
サミュエル・ハンチントン著「文明の衝突と21世紀の日本」
著者は世界で最も著名な国際政治学者。
1993年の「文明の衝突」が冷戦後の世界像を明快かつ体系的に分析しており、国際政治の解説ではハンチントンの著作が引用されていることが多い。
国際政治に疎い私には格好の教科書なので、一度読もうと思っていたのだが、冬休みの課題図書になってしまった。
本書は現在の国際政治を具体的にかつ本質を突いて解き明かしてくれる。
中西輝政の解説を読むと著者は「ハーバードの学者としてスタートを切り、朝鮮戦争・ベトナム戦争を現地で体験し、ケネディ政権とカーター政権においてはホワイトハウスで外交・安全保障の政策立案に携わった経歴をもつ、いわばアメリカの国家戦略を生涯のキャリアとしてきた人物」だそうだ。
鋭いのは宜(うべ)なるかなということか。
実は、年末、本書を読んでいた最中の12月26日の北海道新聞にハンチントンの訃報が掲載されていた。
年末の24日に亡くなったそうです。
なんとも残念です。合掌・・。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)