初心忘れるべからず

アカコッコ撮影YT氏

 だれでも最初は初心者です。
大会社の優秀なCFOも昔は新人でした。
(Chief Financial Officer 最高財務責任者
 当たり前の話なのですが、経験を積むにしたがい、そのころの記憶は薄くなってしまい、新人の立場になって考えることができなくなります。
 新人のころのひたむきさと意欲が衰えがちになります。
 私が初めて会社勤めで配属になったのは経理部管理課という部署で管理会計の部門でした。
 「どういう仕事を命じられるんだろ?」と緊張気味だったのですが、経理部長に与えられた仕事は「日本経済新聞をスミからスミまで読んで、経理の仕事に関係する記事を、すべて切り取ってファイリングする。」ことでした。
 「なあんで新聞のスクラップなんだろ」と思いながら手が真っ黒になるまで新聞を読んだものです。
 新聞だけではありませんでした。
 朝、席につくと、経理部長が読んだ本が毎日のように置いてありました。
 後日、感想を聞かれるので読まないわけにいきません。
 経理に配属になり、初めて知ったことは「自分が何も知らない」ということでした。
 手当たり次第に経理関係の入門本を読みあさった記憶があります。
 あれから何年も経ちましたが、「相変わらず分からないことばかり」
 せめて、あのころのひたむきさだけは持ち続けたいものです。
 少年老い易く学なり難し、命短し恋せよ乙女・・・(意味不明だし)

【今回の推薦本】

 「田中清玄自伝」インタビュー大須賀瑞夫
 現代史で、どうにも分からないのが田中清玄でした。
若い方はご存じないと思います。私も「全学連の唐牛健太郎に資金を提供した大物の右翼」という、どうにも不可思議な印象しかありませんでした。

 しかも武装共産党時代の元書記長で転向組。
 世間の評価も右翼、怪物、黒幕、フィクサーなどなんともおどろおどろしい形容詞が一般的です。でも本書を読み進む内に、従来抱いていたイメージはすっかり変わってしまいました。
なんともスケールが大きく、理想主義者なのに現実的で本質論者。
 毀誉褒貶さまざまな方ですが、とにかく奥が深い人だったのだろうと思います。
 それじゃなきゃ、あんなすごい人脈を築けるわけがありません。
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(このブログは毎週木曜日に更新予定です)