自民党税制改正大綱

タカブシギ撮影YT氏

 師走になると忘年会と税制改正
 忘年会の方は、年を取る度に増えていく。
 今週は高校時代の同級生の忘年会があった。
 私も含めて見かけは変わったが、頭の中身はあのころのままで、あまり進歩していないようだ(お前だけだろ!) 
 税制の方は、今日か明日くらいに自民党税制改正大綱が出る。
 この時期になると、「お化けが出ないように」という心境になるのが税務実務家としての本音だ。
 「不動産の譲渡損の損益通算ができなくなった」り、「特殊支配同族会社の役員報酬が損金算入制限」されたり、「役員給与が原則は損金不算入」になったりという納税者不利の規定は、年末の税制改正大綱で唐突に発表される。

 この恐ろしさは、最新のスティルス設計を施したミサイル駆逐艦のごときだ(税理士がそんな表現していいのかよ!)

 昨年も「相続税の課税制度見直し」が密かに折り込まれていたが、ご存知の通り、政治情勢が不安定なため、当面は改正が見送りになるようだ。 
 増税論議されるのは致し方ないことではあるが、国民的な議論を避けるような抜き打ち的で小手先の増税法案を潜り込ませてしまう手法はどうも釈然としない。

 そのくせ減税案は公表される前から盛んに喧伝される。
 でも、まあ今年は景気刺激策ということで中小企業の減税や法人税の繰戻還付、住宅借入金特別控除の拡充などが焦点になりそうだ。

 ところで文藝春秋の2009年1月号で大和総研の原田泰というエコノミストが本質を突いた提言をしている。その一部を抜粋すると以下の通りだ。

「バブル期に膨らんだ財政支出によって、現在まで財政赤字が続いている。
 つまり、税収が増えれば、政府はその分使ってしまうのだ。
 その後、税収が減れば財政は悪化する。
 日本の財政はこれを繰り返してきた。
 だから増税財政赤字を削減することはできない」
 私がいつも懸念していることをズバッと指摘してくれている。 
 財政需要に応じて増税も減税も結構だが、機動的財政運営ができないなら、いくら増税しても元の木阿弥じゃなかろうか。 
おおおっ今日はいつになく真面目だ。

【今回の推薦本】

 池上彰著「そうだったのか! 現代史パート2」
 前作の続きです。
 このシリーズで当分は池上さんの著書に嵌ってしまいそうです。
 読めば読むほど自分の知識が、いかに表面的だったかが分かります。
 筆者は「なぜ地球上から戦争がなくならないのですか?」という大学生からの素朴な質問に、少しでも答えられればという思いで書いたそうです。

 平和っていったい何なのか、「戦争がない状態」が平和なのか。人類が存在している限り「戦争はなくならない」・・それが真実なのかも知れません。

 そして戦争がなくならない限り、人類の現代史は「核兵器」という虚構の上になりたっている繁栄でしかない。そんな気がしてきます。

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(このブログは毎週木曜日に更新予定です。でも今回は水曜日)