今日の読売新聞の配信を見て驚いた。
見出しに「ライブドア、所得隠し9億円」とある。
いまごろボロボロのライブドアが所得隠し?課税?
記事を読むと9億円どころか申告漏れ総額は23億円を超えていて、納税額は国税だけでも8億7千万円とか・・。
「利益を無理矢理計上して粉飾していたのに、な・なんで所得隠しになるのか」というと、そこが税務のまか不思議な世界です。
配信記事を引用します。
「同社の説明や公判記録によると、LDは04年9月期、買収予定だったサイト運営会社キューズ・ネットを含む2社の預金など約15億8000万円を自社の売り上げに不正計上する手口で決算を粉飾した。
この架空取引でキューズ社からLDに売上代金として入金された約9億2千万円について、同国税局からLDに対するキューズ社からの寄付金にあたると認定され、最終的にキューズ社を買収したLD側が課税されることになった。
またLDは、買収や事業統合で合併した5社の営業権(のれん代)を償却したとして、その費用約10億円を経費として処理したが、同国税局から”税法上、経費処理が認められる合併のケースにはあたらない”と指摘されたという」
うは〜。この記事を読みこなせる方は、そういないでしょうね。ふむふむ確かに、粉飾のための売上協力は税務上は寄付金になってしまいます。
それにしても、刑事裁判が終わったと思ったら次は民事の訴訟で、忘れた頃に税務調査と納税そして重加算という罰金です。粉飾がばれたときの対価は大きく、それに費やす時間は長いです。
【今回の推薦本】
ジョセフ・E・スティグリッツ著「スティグリッツ教授の経済教室」
著者は2001年にノーベル経済学賞を受賞したエコノミスト。イェール大学教授、スタンフォード大学教授を経てクリントン政権の大統領経済諮問委員会に参加し、95年委員長に就任しています。
この本は、わかりやすくグローバル経済を説明してくれています。現ブッシュ政権の経済政策には極めて批判的で、特にイラン戦争の愚かさを舌鋒するどく批判しているのですが、理路整然としており、説得力があります。
この本を読んで驚いたのは著者は2006年1月に、サブプライム問題に始まる現在のアメリカ経済を正確に予測していたことです。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)