現物出資説と人格合一説

ナベヅル撮影YT氏

 私は宗教に疎いのですが、その疎い私でも「白隠禅師」の「坐禅和讃」には、なんともいえない響きを感じます。
衆生本来仏なり   水と氷の如くにて
水を離れて氷無く   衆生の他に仏無し
衆生近きを知らずして 遠く求むるはかなさよ
たとえば水の中に居て 渇を叫ぶが如くなり」

 さて本題です。組織再編税制の会計や税務はとにかく難解です。
 なんで、こんな難しいんだろって考えていたのですが、どうやら会計も税務も、正反対のふたつの考え方があるからだ・・・ということが結論のような気がします。

 その相反する考え方を会計では「現物出資説」と「人格合一説」といいます。税法では「税制適格」と「税制非適格」と味も素っ気もない用語になってしまいます。

 会計と税務は似てるようで、微妙に違っているのが専門家にはつらいところです。
例えばA社とB社が合併したとき「A社がB社を買収した」と考えるのが現物出資説で「A社とB社が対等の立場でめでたくひとつになった」というのが人格合一説です(少し単純化しすぎかもしれません)
 でも、これって正反対の考え方です。どちらで考えるかで、実務処理は全然違ってしまいます。その相反する処理方法が会社法にも法人税法にも細かく規定されているので複雑になってしまうわけです。

 なんだか結婚を「政略結婚」とみるか「恋愛結婚」とみるか・・に似てますね・・というと不謹慎か。
 まあこんな話は一般の人には興味ないでしょうし専門家の人はこのブログは読んでないと思うので、続きは書きたくなったら書きます。今日は、ここまで。

【今回の推薦本】

 伊藤元重著「はじめての経済学[上],[下]」
いまさら「はじめての経済学」、あえて「はじめての経済学」

 いつも私の間違いや無知を「コテンパン」に指摘してくださる大先輩に知れたら、「う〜ん。あまりにもレベルが低いよね」とでもいわれそうです。

 でも20代前半のころに、経済学の本を片っ端から読んだのですが「すでに忘却の彼方」なので、また「はじめての・・」から勉強しなくちゃ・・。 
 この本は、あらためて基礎から経済を勉強するのに格好です。ちゃあんと最新の動向にも触れてくれているので、しばらくサボっていた私のような人には、特にお薦めです。 
 昔は「ナッシュ均衡」なんて経済学の初心者本には出てこなかった・・。

はじめての経済学 上の通販/伊藤 元重 日経文庫 - 紙の本:honto本の通販ストア

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