中期計画なんて意味あんの?

ゴマフアザラシ 撮影YT氏

 中期経営計画の編成に携わってみると不思議な気持ちになることがあります。3年先の計画はバラ色のはずなのに、実際の売上はさっぱり増えません。3年後の会社は急成長するはずなのに、来年の予算は、売上はほんの少ししか増えなくて、将来のための費用ばかり増えるのです。これでは給料も上がるわけがありません。

 この構造は受験勉強に似ています。私なんかも、将来は東大とか慶応とか早稲田に入りたい、そのためには3年間でこれだけ勉強する思い、その勉強量を1年分にして、こりゃ無理なので、少し減らそう、なんてやってました。

 さて、事業には与件というものもあります。市場や経済環境の変化のほうが早くて、折角つくった計画が数ヶ月で使いものにならなくなったしまったりします。実際、これでは意味がないので計画を策定しない会社も多々あります。有名なところでは、京セラも、経営指針だけで、数値計画は単年度予算のみ作成していたそうです。

 どうも中期経営計画は、単年度の予算とは違い、細かな数値の積算よりも事業展開計画を中心に考えた方がよさそうです。事業展開計画は、主として市場戦略と技術戦略に大別できます。事業展開計画では、自社の強みや競争優位を生かして、新たな付加価値を生み出すために、既存の市場に技術優位性を生かした新たな製品を投入するか、既存技術を生かした新製品で新たな市場を開拓することが検討されます。また、M&A(合併と買収)による新たな事業資源の獲得や、新規市場の開拓が、検討されることもあります。

【今回の推薦本】

 鈴木晟、荒木教夫共著「面白いほどよくわかるアメリカ」。知っているようで、よく分からないのがアメリカ。教養のない私は、まず入門本です。
 そういえば「アメリカ」は、コロンブスが航海した地域が新大陸であることを主張したアメリゴ・ヴェスプッチが由来でした。これって惑星を発見したひとの名前が惑星に名付けられるのと同じです、まさしく新大陸発見だったわけです。発見される方から考えると面白くありませんね。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4537254033/sr=1-2/qid=1159408977/ref=sr_1_2/250-7645701-6240269?ie=UTF8&s=books

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