利益管理という言葉があります。文字通り計画通り利益がでるように事業活動を統制(コントロール)するということで、決定した目標利益を達成するための活動です。言葉は簡単ですが、これほど難しい仕事もありません。
計画には環境予測が必要ですが、予測は外れるものだからです。私が最初に読んだ「ぶあつい」経営学の本には、最初に「運に勝る経営なし、といいます。」と書いてありました。書名は忘れてしまいましたが、その書き出しだけは鮮明に覚えています。
管理会計の仕事をしていたとき、生産部の一番偉い方に「販売が新製品を計画通り売らないから、操業度が落ちてコストがあがる。事務局が販売の責任を追求しないのがおかしい」と怒られたことがあります。
でも新製品というのは、大当たりして計画の数倍も売れるか、もしくは全然売れない・・というのが常でした。常に予測を正しくできるのなら、社会主義国家は崩壊しなかったことでしょう。
利益管理とは需要は市場に聞いて、社内でできる施策を積み上げていくことのようです。売上は予算を大幅に下回っているのに、費用だけはしっかり予算通り使っている、ということでは経営が成り立ちません。ノルマを押しつけて目標を達成しようとするのではなく、「現場部門が利益管理に参画するための仕組みづくり」が、本来の利益管理です。実践するのは、すんごく難しいですが・・・。
【今回の推薦本】
手塚治虫著「ぼくのマンガ人生」。ご存知、漫画の神様、手塚治虫さんの自叙伝です。手塚さんの漫画のテーマは、強烈な戦争体験から培った「生命の尊厳」だったそうです。文章を読んで、あらためて過去の作品を思い出してみると、すべての作品にメッセージが込められていた気がします。「火の鳥」、「空気の底」、「きりひと賛歌」、「奇子(あやこ)」、「ブッダ」、「アドルフに告ぐ」・・。私は手塚治虫さんと藤子・F・不二雄さんは、どちらかというと青年向けのシリアスな作品が好きです。
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