人は安定を求めます。今が居心地がいいと、「この状態がずっと続くといいのに」と思いますね。でも仏教で色即是空というように、世の流れは移ろいやすく、絶えず変化します。
産業や市場も絶えず変化します。特定の市場や商品だけに依存していては、いずれ衰退します。収益を上げ、利益を確保して継続して発展していくには、社会経済の条件変化に対応し、新商品の開発や新市場の開拓など、ビジネスモデルの見直しが必要になります。
ビジネスモデルを変更するには、新しい設備、人材、技術、ノウハウなどの競争資源が必要になります。その資源をいつまでに、どのように獲得するか、どの程度の成果が期待できるか、それにはどのくらいの費用が必要になるか、経営のためには事前に様々なことを検討し、具体的な手順を決めて、組織的に取り組むことが必要です。
競争に打ち勝つには、いたずらに戦線を広げるのではなく、自社の内部資源を分析し、競争優位性がある特定の市場分野や事業領域(ドメイン)に、自社の資源を集中して投入することが必要になります。
総合戦略に固執する会社は、破滅する。というのが私の持論です。なぜって、総合戦略に挑むには莫大な資金を必要とするので、金持ちには適わないからです。無理して資金をつくろうとすると、常識以上に急成長しなければならないので、いずれ破綻します。
ライブドアの堀江さんは「5年後のことなんか想像もできない」といっていました。ライブドアはいずれ破綻する運命にあったと思います。
【今回の推薦本】
須田慎一郎「マネーゲーム崩壊」。ライブドアはいずれ崩壊する運命にあったと思います。でも今回の逮捕劇はかなり意図的です。この事件ほど「国策捜査」と評論されている事件はありません。
リクルート事件もそうでした。大きな経済事件の背景には、違った意図がある気がしてなりません。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)