まだ新人研修を受けていたころの話です。いよいよ配属が決まります。人事の担当取締役だったK常務との面談がありました。
K常務「栗山君の配属先の第1希望は製図機の営業で、第2希望は企画室か・・。商学部の会計学科卒業なのに、なぜ経理を希望しないんだ?」
私「はい・・。仰るとおりなのですが4年間勉強してみて、どうも簿記や会計学は性に合わない気がするんです。結局、商法が優先して会計学は理屈のための理屈であまり面白くないと思います。
それに一日中、机に向かって数字を計算するのも嫌です。人と接する仕事がしたいと思います。」
K常務「ふ〜ん。そうかね。ところで企画室が第2希望になっているが、企画室がどんな仕事をしているのか知っているのかね?」
私「いいえ、経営に関する仕事だとは思いますが、想像しているだけで具体的な業務内容は全然知りません。」
さて、数日後、新入社員が全員集められて配属先が発表になります。人事部のU係長がひとりづつ配属先を告げていきます。私の番になりました。
U係長「栗山君は経理部です。」
私「はい。?????(何で経理部なんだ?)」
後日、経理部の先輩に尋ねてみました。
私「なぜ私は経理に配属されたんでしょうか?」
先輩は笑いながら答えてくれました。
先輩「いやあ、U係長が経理にきてね。経理部長の前にバサッと履歴書を並べてね・・」
私「はい・・。」
先輩「今年の新入社員は優秀ですよ。経理に使えそうなのがこんなにいます。どれでもいいですよ。どれにしますか。というんだよ」
私「はあ・・。」
先輩「それで経理部長が、おいN(先輩の名前)どれにしようか?という話になってさ・・」
私「へえ・・。」
先輩「それで俺が、I部長、顔で選ぶなら、こいつが経理に向いていると思いますよ。といったら・・」
私「・・・」
先輩「I部長も、そうだな顔で選ぶならこいつだな。という話になったんだよ。」
私「そ、そうだったんですか・・。なんだべさ・・(と思わず方言で独り言)」
人生ってこんなもんです。
(金子みすゞ調で・・)
会計税務で生きている。
それをしたのは私じゃない。
それにわたしは気がついた。
それもわたしのせいじゃない。
【今回の推薦本】
阮銘(げん・めい)著「共産中国に してやられる アメリカ」。お隣の国、ふたつの朝鮮(韓国)の陰で、台湾は最近あまり話題になりませんが、それが今の台湾が置かれている現状を表しています。
韓国の問題も、台湾の問題も、その背景にあるのは、やはり毛沢東が創り上げた中国共産党です。台湾問題は、はたして中国の内政問題なのでしょうか。巨大な共産主義国家、中国はどこへ向かうのでしょうか。
そして台湾はどうなるのでしょうか。蒋介石、蒋経国、李登輝と続いた民主台湾。陳水扁はどのように独立を維持するのでしょう。
私は、台湾は民主主義国家でいて欲しいと思うのですが・・。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)