KAIZEN

カワガラス撮影YT氏

 改善という言葉は辞書では「悪いところを改める」という意味ですが、メーカーで使われる「改善」は、トヨタ生産方式や京セラのアメーバ経営などで国際的にも通用する「KAIZEN」です。

「社員が自主的に絶えず業務効率を向上させていく活動」という意味で使われています。絶えず、繰り返し改善を続けて、良いところも、さらに良くして会社の競争力を飛躍的に向上させることです。経理の仕事にも「KAIZEN」はすごく大切です。

 ただ私はひねくれものなので、メーカー勤めのころは、この「改善活動」が苦手で、たまりませんでした。またその会社の改善活動も独特なものでした。グループで小さな改善事項を探して、ひとりづつ、みんなの前で「私はこんな活動をして、こんな効果がありました」と説明します。

 口頭ではわからない、ということでマジックを使って発表用の模造紙をつくります。いかにも私たちは手作りでやってますって感じです。難しいことをいってはいけません、誰でも分かるように「事実を積み上げて」、「データで検証して」、「法則性を見つけて」、「具体的な改善案をつくって」「やってみて」また検証して・・・と永遠に続けることで、気づいたら飛躍的に業務が改善されているというわけです。

 これ正しいです。原理、原則、現場、現物あと何とかで5原則とかいった記憶がありますが、私も、何ごとも現場が大切だと思うし、そう行動するようにしています。でも改善活動は苦手でした。

 まず模造紙書きが嫌でした。「なんで、この情報化時代に模造紙なんだ・・。」と呟いてました。また専門知識を軽視して「いきなり改善案を考えよう」という姿勢が納得できませんでした。業務が高度に複雑化している現代では、まず専門能力を磨かないと優れた改善などできるはずありません。

 思えば団体は、「何とか運動」とか始めるとエスカレートする傾向があります。極端な例は、戦前の日本の陸軍や毛沢東のころの大躍進運動文化大革命です。臆病な私は、つい団体が「行き過ぎ」たり「冷静さを欠く」ことを恐れてしまいます。

 改善活動は、とても大切です、そして常日頃の研鑽や鍛錬があって、始めてその活動が生きてきます。

【今回の推薦本】

 魚住昭著「官僚とメディア」。魚住さんは、私の好きなジャーナリストのひとりです。いつも取材力に感嘆しながら読んでいます。ただ魚住さんの本を読むとこの国の将来が暗く思えてしまうことが難点です。

 「国家もマスコミも内側から壊れていく・・。」そう会計事務所も内側から壊れていきます。家庭もそうです、そして税理士自身も壊れるときは内側からです。

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