ずいぶん前の話です。今と違って、新規公開株がすごい初値をつけていた頃です。IT関連の株が急騰して、こんなに儲かったという噂があちこちで流れていました。
知り合いのAさんから自宅に電話がありました。
Aさん「なんとか証券投資という会社から電話があって、○×通信という会社の株を買いませんか、と熱心に進められているのですが、栗山さんはどう思いますか?」
私「○×通信ですか?聞いたことありませんけど・・。」
Aさん「担当者の話では、近い内に上場するのが確実で、上場したら暴騰するのは間違いないんというんだけど。この機会を逃したら買えることのない株だともいってました。」
私「Aさん、それは、是非買うべきですよ!!!」
Aさん「そうですか!やっぱり買いですか。」
私「そりゃそうです。人間いろいろな苦労をしないと大成できません。一度詐欺にあって、痛い目にあったら二度と同じ間違いを犯さずにすみます。いやあ是非買うべきですよ。」
Aさん「(しらじらしい声音で)栗山さん、私も怪しいとは思っていたんですよ・・・。」
それから、一月後、日経新聞の社会面にその会社の名前が載っていました。どんな内容だったかは、想像におまかせしますが・・。
【今回の推薦本】
山田英夫+山根節著「なぜ、あの会社は儲かるのか?」。公認会計士や税理士には、なかなか書けない会計の本です。ユニクロ、伊勢丹、ANAなど、誰でも知っている会社の
儲けの仕組みを会計の数字から平易に解説してくれています。
経営の視点からの会計本は、いくつかありますが、この本は分かりやすいと思います。著者は、ともにビジネススクールの教授だそうです、なるほどビジネススクールの教材にもってこいの本です。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)