課税最低限

ケリ撮影YT氏

のりろう「おとうさん、うちも給与で生活してるんだよね」

おとうさん「おとうさんは税理士という仕事だから給与を払ってくれる人はいないんだよ」

のりろう「え〜っ!!!うちには給料がないの!それってやばいじゃん!給料がないってことは、うちは超貧乏ってことじゃん!」

おとうさん「そうなんだよ、うちは貧乏なんだから、のりろうも無駄遣いするなよ」

のりろう「給料がないって、まじかよ。どうやって生活してるんだよ」

 思えば自営業者が随分少なくなった。
日本中どこへいっても商店街はシャッター街と化している。
むすこの友達の家庭は、みんな給与でくらしているらしい。
そりゃ私も給料をもらいたい。給与には給与所得控除という利点もある。
 「課税最低限」という言葉がある。
 標準世帯(奥さんがいて子供ふたりの家庭)で、いくらまでの収入なら税金を納めなくて済むか、という目安の収入だ。
 昔は380万円くらいだったが「課税最低限の引き上げる政策」をとったため現在は340万円くらいになった。

 この数字も、もちろん給与収入の話だ。
 この「課税最低限」という数字は、いっけんわかりやすいが、何の意味もなくなってしまった気がする。
 社会保険料の負担が極端に重くなってしまったからだ。
 例えば年収340万円の方は、たしかに所得税や住民税は負担しなくてよいが、社会保険料を年間45万円くらい負担している。
 さらに会社で負担している分を含めると90万円くらいになる。
 会社の負担も実際は自分で稼いだ儲けから払っているはずなのだから「税金はかかってない」と喜んでる場合じゃない。
 健保も年金支出も増えるばかり、経済も成長が止まり、さらに憂鬱な時代が続く。

【今回の推薦本】

 マッテオ・モッテルリーニ著「経済は感情で動く はじめての行動経済学
 われわれの心に潜んでいる法則を説例方式で解き明かしてくれる「行動経済学」の本です。

「意見を変えるか、その必要はないかの選択に迫られたとき、ほとんどの人が必要はないと考える」ジョン・ケネス・ガルブレイス

「理性はつねに感情の奴隷でしかない」デイヴィッド・ヒューム

 いずれも本書に出てくる格言です。
 理性的に考えているつもりでも、感情が先に立っているし、冷静に分析しているつもりでも「自分が見たいものだけを見ている」あるいは「聞きたいことだけを聞いている」のが人の常のようです。
 そういえば私もよく女房にこう言われます。
「この前、話したじゃない。“うん分かった”といっていたじゃない。何も聞いてなかったんでしょ」
これは私だけじゃなくて人類が抱える共通の欠点だったわけです(そんな大袈裟な問題じゃないだろ!いいわけするなよ!)

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