上場会社では投資家に対する情報開示のために、有価証券報告書を作成しています。
この報告書はEDINETという金融庁の情報公開ページで見ることができます。
この書類で開示される事項は増える一方です。
内容を見ると、決算書はもちろん「キャッシュフローの状況」、「企業価値を向上させるための課題」、「事業等のリスク」「財政状態及び経営成績の分析」「設備の計画」から「経営戦略」その他様々なことが記載されています。
その中の「財務諸表等」というのが経理関係の人になじみに深い貸借対照表や損益計算書などの決算書が記載されている箇所です。
開示されている財務諸表を見ていると、私が勉強した頃の財務諸表とは随分と変わったことに気づきます。
財務会計は、過去の業績を表しているので、昔は「過去会計」ともいわれましたが、今はそんなことはありません。
前者については何度かこのブログでも触れました。
後者は将来の損失に備えるための科目なのですが、厳格監査がいきすぎて、なあんか「あつものに懲りてなますを吹く」感じの「とにかく将来の損失を計上してしまえ引当金」が増えてる気がします。
もちのろん、こんな属性の「引当金」はありません。私の命名です。どんな引当金か、以下に例をあげます。
会社が誰かに訴えられた・・・はい「訴訟損失引当金」
近々、店舗を見直す予定だ・・はい「店舗閉鎖引当金」
業績不振の子会社がある・・・はい「子会社整理損失引当金」
(ドラえもんかよ)ばななの叩き売りのように引当や損失が計上されています。
まるで粉飾を恐れて逆粉飾になってしまってるよな・・・。
思えばゴーンさんの「リバイバルプラン」がその走りでした。「適正な期間損益計算」の理念はどこにいってしまったのでしょう。
【今回の推薦本】
別冊宝島編集部編「ニッポンの黒幕」
うん、わくわくしてしまいますね。「黒幕」という言葉。こどものころの漫画には、必ず喧嘩の強い「番長」がいて、でもその番長を操っている「裏番長」がいました。
大人の世界にもあるんです。表のヒーローと「黒幕」が・・・。
ということで、たまにはこんな本も読みます。日本社会を裏側から見るよな人物伝。教科書には、あまりでてこない大物やよく知られた悪役(?)がわんさか出てきます。
こういう本を読むと、自分の知識が如何に狭いか分かります。
「ひとつの組織や人間集団の基礎を築き、活動の原動力となった力量ある人物とその背景を紹介するというスタンス」の本だそうです。
歴史は表と裏があります、裏があるからこそ表があるともいえます。すべて綺麗な表にしようとすると、表の部分があらたな裏の部分になっていく。
歴史を読んでいると、そんな気がします。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)