今は住生活グループというそうですが、「トーヨーサッシ」の創業者である潮田健次郎さんは、私が最も尊敬する経営者のひとりです。
表題は潮田さんが連載している、日本経済新聞「私の履歴書」の12回目のものです。その中で潮田さんは、創業当時の資金繰りの苦しさをこう表現しています。
「当時の私は、思いリュックを背負って山の絶壁を登っていたようなものだ。リュックの中には家族や従業員の生活、取引先の債権などがぎっしり詰まっている。私が力尽きたら、多くの人を奈落の底へ道連れにしてしまう。
人はなぜ危険を承知で山に登るのか。「そこに山があるから」という言葉があるが、要は山登りが好きでたまらないということだろう。私も「そこに経営があるから」としか答えようがない。」
これほどベンチャー経営者の切迫感と心情を適切に表現している文章はない気がします。
【今回の推薦本】
斎藤兆史(さいとう・あつし)著「英語哲人列伝 あっぱれ、日本人の英語」
この本に若いときに出会っていたら、私の英語への情熱は変わっていたかもしれません(んなわけないだろ!)
といっても初版が2000年だから、それは無理な話。
この本を読んでると自分がいかに無知で努力もしていないか、思い知らされます。だいたい一番大切な英語のところをとばし読みなので、「読んだ」というのも怪しいものです。
斎藤秀三郎、斎藤博、岩崎民平そして著者の斎藤さんも始めて知りました。
ということで斎藤秀三郎について翻訳のプロのSolonさんこと工藤さんに教えてもらいました。
以下Solonさんの文章です(おいおい著作権というものがあるだろ!)
「斎藤秀三郎がいかにすごいかは、翻訳家の柳瀬尚紀がかいています。
この人の英和辞典(熟語本位 英和中辞典)を読破しないやつの英語力は信用し
ないとまで言い切っていますね。
この辞書を牛の歩みで読んでいますが、深いです。訳語がくだけていて、ほんとに勉強になります。
もっとすごいのは、斎藤和英大辞典。昭和3年出版の「斎藤和英大辞典」の復刻版がいまなお専門家から愛用されている。
和文英訳する人の(それも達人レベル!)が愛用するバイブルなんですよ!」
へ〜、へ〜、へ〜・・・・。国内で英語を勉強していて、このレベルです。
すごすぎる。せめてなりたや、へそのゴマ(そんな諺ないだろ!)
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)