Aさんから相談を受けました。
Aさん「オヤジが先祖代々から引き継いできた田舎の土地をくれるといってます。贈与税が高いですよね、どうすればいいでしょうか?」
私「一定の条件を満たすときは相続時精算課税という制度があります。相続税評価額で2千5百万までは相続が発生するまで贈与税がかかりません。
2千5百万を超えた場合は20%の贈与税を払って、相続のときに精算するようになります。」
Aさん「そりゃ好都合ですね。是非、その手続きをお願いします。ところで、その土地に抵当権がついているので、1千万円のローンを私が一括返済します。」
私「・・・・・・・う〜ん。」
Aさん「どうかしましたか?」
私「それを負担付贈与というのですが、負担付贈与は税務上かなり複雑な課税関係になってしまうんですよ」
Aさん「どういうことですか?」
私「Aさんは贈与した不動産の価格と支払ったローンの差額を贈与されたことになるのですが、そのときの不動産の価格は相続税評価額ではなく通常の取引価額になります。
つまり時価ですね。」
Aさん「普通よりも贈与税が高くなってしまう、ということですね。どのくらい高くなりますか?」
私「何が時価なのか、評価が難しいですが2割から3割高くなりますかね〜」
Aさん「う〜ん。それでももらった方がいいかな〜」
私「それだけじゃないんですよ」
Aさん「まだ何かあるんですか?」
私「税務的にはお父さんがAさんに土地1千万円で譲渡したことになります。利益が出ると所得税を払うことになるんですよ。」
Aさん「・・・・・???。あげたのに税金を払うんですか?」
【今回の推薦本】
週間東洋経済で連載されていた記事をまとめた本ですが、野口教授の本はいつも論旨明快で理路整然としています。
東洋経済のライバル紙である「週間ダイヤモンド」にも連載がありますが、いつも愛読しています。
思えば野口さんの本は、名著であり、たかが書類の整理術を、よく延々と理論づけられるものだと驚いた「超整理術」のころから読んでいますが最近は切れ味が違います。
えっ?本の説明になっていない?
この本は読んでもらう本で説明する本ではないんですよ。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)