野口悠紀夫さんの話では、日本は製造業中心の経済構造を変えないと、ひとり当たり生産性は伸びないそうだ。
製造業中心の経済である限り、要素価格均等化定理によって中国の製造コストとの競争になるため生産性が低くならざる得ない。
経済構造を金融など、もっと知識集約的で生産性の高い構造に変えていかなければならない・・・というような論旨だったと思う。
さて製造業が中国を中心としたアジア経済圏にシフトしていくのは、仕方ないとして、雑誌を見ていたら、今度は日本の食料事情が危険なのだそうだ。
なんでも中国の経済競争力が向上したことによって、購買力が高くなり食料需要が増大して、これまでのように食料を輸入することが難しくなるという。
ご存知の通り日本の食糧自給率は40%なので、最悪の場合は昭和20年代の食料事情になってしまうとか。
日本の農業政策が間違っていたのはさておいて、ここでも中国だ。13億人の胃袋を満たさなければいけないわけだから、世界経済に与える影響も甚大だ。
思えば、毛沢東は世界の経済構造を根底から変えてしまった気がする。確か日清戦争のころの中国の人口は4億人程度だった。当時「4億の民と戦いて〜」と志気を鼓舞する歌があったそうだ。
それが毛沢東が生めよ増やせよと人口を3倍以上にしてしまった。どうして、そのような政策をとったのか、というと、どうもアメリカの覇権主義に対抗するための軍備と兵士を充実させるためだったような気がする。
つまり中国が得意とする人海戦術のためだ。そういう意味では、東西の冷戦構造が残した負の遺産が日本の今後の経済構造のフレームワークを形作っている気がする。
【今回の推薦本】
パコ・ムーロ著、伊東智子訳「なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?」。
私はゴルフはしませんが、それは私が偏屈で努力をしないから「ヘタッピ」に決まってるからであって、きっと素晴らしいスポーツに違いないと思っています。
そうでないと、私が尊敬する方たちが、あれほど夢中になるはずがありません。
この本は第一話の結論をじっくり読むだけでも購入する価値があると思います。
「今日の繁栄のみを享受している人の多くは、
明日も生き続けるには、
変わる必要があること、
進化する必要があることを、理解できずにいる。」
少しでも、少しでも進歩しなくちゃいけないわけですね。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です。来週は夏休み)