海外で投資したときの税金

アマサギ撮影YT氏

 「金融のグローバル化」とよくいわれますが、「海外で投資したら日本の税金はどうなるか」というと、これがかなり複雑です。

例えば、香港にいって現地の銀行に定期預金をして利息が支払われたとします。

 さて、この所得は日本で申告しなければならないのでしょうか?課税されるとしたら、どのくらいの税金がかかるのでしょうか?

 税務の専門化の税理士でも、この質問に即答できる人は少ないと思います。私も知りませんでした。

 答えは、原則は、やはり確定申告は必要です。日本の金融機関を利用して得た利子は20%の源泉税が取られて終わりですが、この場合は同じ利子所得でも総合課税の利子所得になるので、所得に応じて税率は変わってしまいます。

 税金のハードルが高くて、金融の国際化も庶民には遠い話です。

【今回の推薦本】

 橘玲著「マネーロンダリング入門」。たちばな・あきらさんの本は、ほとんど読んでいるのですが、「あきら」さんだと初めて知りました。ずっと「れい」さんだと思っていました。

 橘さんの本を読んでいると「感性は情報量に比例する」という諺を思い出します。
 
 この本は「金融のグローバル化」の実像を具体的に解き明かしてくれます。北朝鮮のミサイルの発射や地下核実験の実施は、米財務省マカオのバンコ・デルタ・アジアを「資金洗浄疑惑銀行」に指定して金融制裁を発動した措置に激しく反発して危険な賭けに出たと言われているそうです。

 さて橘さんの以下の疑問に答えられる人はどのくらいいるでしょうか。

1.なぜアメリカ政府は中国の銀行にある北朝鮮関連の疑惑資金を一方的に凍結することができたのだろうか。

2.中国はなぜ、自国の銀行の預金がアメリカに差し押さえられても文句ひとつ言わないのだろうか。

私は、この本の結びが好きです。

「いつの時代でも、理想や正義を声高に語る人の後をついていくとろくなことはない。この本を書いたのは、たとえば、そんな単純な真理である。」
この文章、私が書くと「ひねくれものの独り言」になってしまいますが・・。

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(今年、最後のブログです。このブログは毎週木曜日に更新予定です。来週はお正月休みにします。)