財務会計と管理会計

イソヒヨドリ 撮影YT氏

 会計情報は財務会計管理会計に区分できます。財務会計会社法金融商品取引法などの法律に準拠して決算書を作成する仕事、管理会計は儲けるために経営管理のための会計情報を作成する仕事です。

もちろん、両者はまるっきり「別物」というわけではなく、密接に関連します。財務会計管理会計も単独では成り立ちません。経理ではコミュニケーションをよくして、情報を共有しなければ経理全体として仕事の成果を上げることはできません。

 ここまでは建前で正しいのですが、実は心情的に随分隔たりがあるのも事実です。経理の現場では、財務会計で「現金が600円合わない!」と大騒ぎしている横で、長期経営計画を集計している管理会計の担当者が「う〜ん。予想していたより利益が3億円足りないな〜。まあ誤差だからいいや」なんていってたりします。

 管理会計のころは、財務会計が「みみっちく」思えて、どうも好きになれませんでした。ところが財務会計を経験してみると、これはこれで、まさしくプロフェッショナルの世界で、管理会計は空論ばかりで中身がないように思えてしまいます。

 いずれも経験と知識と考え方のいたらなさ故です。経理業務の内容と仕事に必要な知識には相当の段階があります。「敵を知り 己を知り 地の利を知れば百戦危うからず」というのは、ご存知、孫子の兵法ですが、経理全体の仕事の内容を理解して、自分に不足している能力を正しく認識して、正しい情報判断ができるようになりたいものです。

【今回の推薦本】

 平尾武史、村井正美著「マネーロンダリング」。山口系ヤミ金組織五菱会の事件を扱ったノンフィクションです。同名の書籍としては橘玲の本も面白いですが、この本は実話を追っているだけに、現実的で具体的です。最近、お金のあるところには、必ずPB(プライベートバンク)が寄ってきます。

 でも、ある投資のプロに聞いた話では、所轄官庁の規制が厳しすぎるため日本では、本当のPB業務は何もできないのが実情だそうです。クレディ○○○のように、PBというと脱税幇助とイメージしてしまうのは、そのためのような気もします。

税制も、海外の投資運用には厳しくなっています。良くも悪しくも、やはり島国ですよね。

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