在庫は、数量だけを把握しても適切な管理はできません。その製品の販売予測と生産に要するリードタイム、その製品の生産能力を検討した上で、必要在庫を決定します。
必要在庫は発注済みでまだ入庫されていない製品や在庫のうち既に注文を受けていて近い時期に発送しなければいけない製品も把握した上で発注数量を決めます。これを受発注の残高管理といいます。
実は、この「必要在庫」というのが曲者です。販売部門は機会損失の発生を避けるために、また生産部門は欠品が発生して急な生産計画の変更を避けるために、いずれも多めの在庫を保有したがる傾向があります。
在庫が増えて悲しむのは経理部門だけです。
必然的に必要在庫は多く計算されます。何も手を打たなければ、在庫がだぶつき資金効率が悪くなります。在庫の保有コストを適切に算出し、関連部門に正しく認識してもらうとともに、その基準を予算や業績評価に反映させる仕組みづくりが必要になります。
【今回の推薦本】
新版「経理部」。やっと出ました。「経理部」、改訂版「経理部」に続く新版です。類書は多々あるのですが、8年以上ご好評をいただいているのが、経理部です。
http://www.jmam.co.jp/pub/booklist/48207_16867.html
【ところで】
もう秋です。何故か、もの悲しくなる季節です。一人暮らしが長かった私はいつも物思いに耽っていました。ここでTTさんから教えていただいた都都逸。
「顔見りゃ苦労を忘れるような 人がいるから苦労する」
な〜るほど。これ分かりますね。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)