在庫管理とリードタイム   

カシラダカ撮影YT氏

 注文されてから、お客様にお届けできるまでの時間をリードタイムといいます。注文されても、在庫がなかったり必要な数量に不足しているため販売できないことがあります。欠品により販売できなかった場合の、販売することができていたら獲得できていた利益を機会損失といいます。
 
 あるシステム学の著名な教授の話では、メーカーのリードタイムの理想は寿司屋だそうです。「中トロ!」っていうと「へい、中トロ!」とその場で握ってくれます。リードタイムは、ほとんどゼロです。トヨタの「カンバン方式」というのは、このイメージなのかも知れません。

 このリードタイムが会社が在庫を保有する最大の原因です。会社は、機会損失を防ぐために、在庫を保有します。

 会社にとって在庫管理は非常に大切です。なぜなら在庫を保有するには多額のコストがかかるからです。在庫のコストには目に見える(顕在的な)コストと目に見えない(潜在的な)コストがあります。

 顕在的コストは、保管料や在庫資金の利息など既に発生しているコストです。潜在コストとは紛失や盗難による損失、あるいは陳腐化や流行遅れにより発生する値下がり損失や廃棄損失など、まだ現実には発生していないが、将来一定の確率で発生するコストです。顕在コストは、まだ管理しやすいのですが、やっかいなのは、潜在コストの方です。

 小心者の私はメーカー勤務の頃、在庫を毛嫌いしていました。潜在的損失を計算してみたら、在庫の20%くらいになったからです。

【今回の推薦本】

 偶にはこんな本。スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー「ヤバい経済学」。建前嫌い,本質論者の私は、こういう本好きです。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4492313656/503-4634086-1735160?v=glance&n=465392

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