昔はお店の前に、よく狸の置物がありました。
債権回収の本で読んだのですが、あれは「前金でお願いします」という意味だそうです。前金なので貸倒も発生せず商売繁盛という願いが込められているそうです。実に含蓄がありますね。
最近は何でも電子化とキャッシュレスです。スイカ、エディ、電子マネー。どこから、どこまでが現金なのか。戸惑うことが少なくありません。
飲み屋でも昔は現金払いか、付けでしたが最近はカード決済が普通になりました。現金で払うと、どこか野暮ったい雰囲気さえあります。
これが企業経理の面では、実にやっかいです。昔は現金さえしっかり管理していれば間違いは起きなかったのですが、現在はカード会社ごとの個別明細を管理しないと正確な帳簿を作成できないし、スイカやプリペイドカードは残高管理をしないと不正や間違いが起きてしまいます。
ITが進化すれば、するほど、内部統制も進化させなければなりません。
【今回の推薦本】
保阪正康著「松本清張と昭和史」。松本清張の「昭和史発掘」は私の愛読書です。この本は、膨大な資料をひもといて、歴史を検証しており、その流れは著者の保阪正康さんや立花隆さんに連綿と継承されている気がします。
もちろん、この本については、批判的な見方をする方もいますし、今になって検証すると松本清張の推理が間違っている部分もあります。
例えば、朝鮮戦争の開戦は北朝鮮側だったことが明らかになったようですし、伊藤律はスパイではなく、党派抗争の結果、中国に幽閉されていたのが真実のようです。
ただ、これは松本清張の先入観が歴史を見る目を曇らせたというより、ことほど左様に現実の歴史は複雑怪奇で、事実を探求するのは難解な作業だということだと思います。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)