史上最低の事業承継対策

メリケンキアシシギ 撮影YT氏

 あるところに、かなり御高齢のおじいちゃんが住んでいました。おじいちゃんはある地方都市の大地主で、たくさんの土地やマンション、貸家をもっていました。

 常日頃、おじいちゃんは、自分に何かあったとき身内で相続争いが起こるのではないかとたいそう心配しておりました。

 ある日、おじいちゃんは仕事で突き合いのある不動産屋さんに相談してみました。

不動産屋さんの顧問税理士がいうには、公証人役場の公証人が作成してくれる公正証書遺言を残すのがいいのではないか・・。という話です。

 なんでも公正証書遺言では遺言執行者といって、遺言通りの遺産分割をしてくれる人を指定することもできるそうです。

 おじいちゃんは、よく考えてある著名な弁護士の先生に相談して、遺言を作成する相談にのってもらい、遺言執行者にもなってもらうことにしました。

 数年後、おじいちゃんがなくなりました。遺言執行者の弁護士先生が親族の方を集めて、遺言の内容を説明すると、大騒ぎになってしまいます。

 なんと、おじいちゃんの作成した遺言には、ある法定相続人の方がひとり漏れてしまっていたのです。

 この著名な弁護士は、遺言の相談にのる前に相続人を確定するのを怠っていた訳です。

法定相続人には遺留分といって、遺言にかかわらず相続財産の一定割合を保証する制度があります。

この相続は、裁判になってしまいました。

教訓:「なんとか士」は慎重に選びましょう。

【今回の推薦本】

ということで今回は、山崎豊子女系家族」。相続の勉強になります。

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(このブログは毎週木曜日に更新予定です)