上場日記(M&A その4)

オガワコマドリ撮影YT氏

 昨日は大雪で大変でした。
みなさん苦労されたことと思います。
さて今日もフィクション上場日記の続きにします。
 ライズ社に上場企業を買収する話がきているそうです。
まだ企業買収をすることは白い目で見られがちだった頃の話です。
ましてや未上場会社が上場会社を買収するなんて、聞いたことがありません。
津島社長「証券取引所は裏上場になるんじゃないか、と牽制しているようです。でも先生、ライズ自体が上場するのですから、まったくの誤解です。」
私「当社には余剰資金はありませんよね。買収資金はどのくらいですか?」
山二証券の山下次長が、すらすらと答えてくれます。
山下次長「TOBをかける価格が600円くらいで取得する株数は210万株ですから買収資金は12〜13億円くらいでしょうか・・。」
私「えっ、それはライズ社の自己資本の6倍くらいになります。そんな資金、どこから調達するんですか?」
郷原会長「先生、金はどうにでもします。いい案件なら私財を注ぎ込んでもやるんです。8月13日から8月17日の4日間、買収調査のための法務監査と会計監査をやる予定ですから、先生には監査の立ち会いをお願いします。」
買収監査の立ち会いです。
そりゃ税務調査の立ち会いよりは、楽しそうですが・・・・。
今年のお盆は、ホテルに缶詰になりそうです。
【今回の推薦本】
 小野展克著「黒田日銀 最後の賭け
 昨年、ある会合にゲストとして同行させていただいて日銀の黒田総裁の講演を聴きました。インフレターゲット政策は順調で、物価も雇用も想定の範囲内で推移している、というお話でした。
 1000兆円という国債が抱える日本がとった「異次元緩和」という政策。黒田バズーガともいわれています。この政策がうまくいくのか、再生か?破綻か?日本はどうなるのか?本書は黒田日銀を徹底的に解剖しています。
 でも結論がどうなるかは、誰にもわかりません。世界的にも異質で異次元だからです。
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)