上場日記(支援受託)

オオルリ撮影YT氏

うんそうだ。
あれは20年近く前。
朝起きたら、なぜか国際税理士法人を退職する気持ちになっていた。
 2度目の退職。最初はメーカーの管理会計から税理士業務に転職。
あのときは人事部長に「K君はいつも大事なところで止めてしまう」と怒られたっけ。
今回は深く先のことを考えたわけじゃなかった。
上場支援とか資産税とか何か新しい仕事がしたかった。
 ほどなく退職が決まり、お世話になった「ある経営者」挨拶にいった。
あいさつで伺った郷原会長はいつもすごい迫力。
大学在学中に独立して30才で売上1千億円以上のグループ会社を経営していた。
 ただ急成長した会社によくある話で、管理体制が追いついていない。
経理はかなり混乱していて、僕は経理体制構築のコンサルティングをしていた。
かなり真剣に取り組んだけれど、現場が無茶苦茶で、実績はさっぱりで嫌気がさしていた。僕は多少、肩の荷が降りた気分。会社を退職すること、退職する会社との契約関係でもう関与できないことを説明した。
郷原会長はこういった。
「いやあ、この会社はもういいんです。それより今度、新しい会社を創ります。この会社は急成長しますよ。そのまま上場まで持っていきます。
先生が退職されるのはラッキーですよ。是非、手伝ってください。お願いしますよ!!!」
想像していたのと随分と雲行きが違う。この会社には散々苦労させられてきた。なんともいえない悪い予感がした。
 でも一から立ち上げる会社だし上場支援も経験したい。今度こそ納得できる仕事ができそうな期待もある。なんとも複雑です。
そう僕の上場支援は、そんなふうに始まりました。
【今回の推薦本】
 ニコラス・G・カー著「クラウド化する世界」
この本を読みながら、小学生の頃、教科書で読んだ湯川秀樹の文章を思い出した。
「科学技術が進歩して、みなさんが大人になるころには現在では想像できないような社会になっていることでしょう」
水車から蒸気機関発電所
 コンピューター、ネットワーク、クラウド
「情報は機械によって処理できる日用品(コモデティー)」の時代。
たしかに想像もしていなかった・・・・。そしてこれからも。
「進歩はその痕跡を覆い隠し、絶え間なく新たな幻想を生み出す」
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(このブログは毎週木曜日に更新予定です)