モラトリアム法の廃止

ヘラシギ撮影YT氏

 もうすぐ師走ですね。
残された休前日は忘年会で埋まってしまいました。
 ところで09年に亀井静香さんが強引に導入したモラトリアム法。
正式の法律の名称は中小企業金融円滑化法です。
この法律が13年4月で廃止になります。
 モラトリアムとは支払を猶予することです。
法令で、借入金などの支払いを一定期間止めさせます。
普通は戦争・天災・恐慌などの非常事態に、経済的な混乱を避ける目的で行われます。
 はじめは銀行に「借入条件の相談にのってあげてね」という法律のはずでした。
それが、いつのまにか「銀行は中小企業から相談があったら返済条件を見直さなければならない」という強烈な法律になってしまいました。
リーマンショックのときに施行されて何度も延長されてきました。
返済できる見込がないからです。
 この法律が廃止される影響は甚大です。
融資条件の見直しがされた件数は289万件。
債権総額は80兆円にもなるそうです。
 でも、いつまでも痛みを麻薬で誤魔化すわけにはいきません。
ついに廃止することになりました。
もともと経営が厳しくなって、返済期限の延長や元本の返済猶予に応じた貸付金です。
すんなりと返済できるはずはありません。
金融庁経済産業省は大慌てで対策を打ち出しています。
 でも、これはいつかきた道になりそうです。
その道は「金融危機」という名前のストリートでした。
では、どんな対策がとられるのか・・・・
これは次の機会に説明しようと思います。
【今回の推薦本】
橘玲著「臆病者のための裁判入門」
 橘玲がはじめて書いた裁判の本ですが、なんとも橘玲らしい本です。
東京地裁にいってみると分かります。
裁判所は僕たちが想像しているせかいとは違って、ごく日常的な事件を扱っています。
 刑事事件は交通事故と覚醒剤の事件ばかり・・。
民事はお金の話。私たちが日常的に悩んでいる(悩みそうな)問題ばかり。
でも、実際に裁判になったらどうしたらいいのでしょうか・・。
 民事調停、簡易裁判、地裁、高裁、ADR・・
本書を読むと複雑怪奇な裁判制度の概要がわかってきます。
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