どうする95%ルール(1)

カラシラサギ撮影YT氏

 先日、会社を退職して独立開業を考えている方にお会いしました。
お考えになっていることが壮大で、楽しくなりました。
若者の特権は「将来の可能性」ですね。
そういう才能がなくても(僕のことです)
疑似体験できるのが税理士業務の魅力です。
さて平成23年度の消費税の改正は実務上悩ましい問題になっています。
その概要についてまとめたので参考にしてください。
1 95%ルールの見直し
 売上の95%以上が課税売上の場合には、仕入税額控除(仮払消費税)が全額認められる「95%ルール」があります。
 平成23年度改正により、課税売上高が5億円超の事業者についてはこの「95%ルール」の適用が除外されます。
(この改正は平成24年4月1日に開始する事業年度からです)
2 95%ルールが除外された場合の税額計算
 「個別対応方式」か「一括比例配分方式」のいずれかを選択して税額計算をします。
(1)個別対応方式とは
 課税仕入を下記の3つに区分して仕入税額控除の計算をします。
a課税売上のみに要する課税仕入
b課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入
c非課税売上にのみ要する課税仕入
仕入税額控除できるのは「a+b×課税売上割合」となります。
(2)一括比例配分方式とは
課税仕入全体に課税売上割合をかけて仕入税額控除の計算をします。
 ということで次回に続く・・・です。
【今回の推薦本】
 橘玲著「かっこにっぽんじん(日本人)」
橘玲の新作は刺激的な日本人論です。
マネロンのころの橘玲とは異質な気もするし同じ流れにもあるような・・・
 ただ3.11以降の視点や作風はあきらかに違ってきています。
マネーや経済の世界から文化人類学や心理学的な考察が多くなってきました。
この傾向を「宗教がかってきた」という方もいるようです。
 僕の印象は「作者の興味と知的空間がより広くなってきている」・・です。
でも、本書の日本人論の根底にあるのは、やはり「空気」と「水」です。
まったく新しいようで、伝統的な日本人論でもあります。
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(このブログは毎週木曜日に更新予定です)