税金を払いすぎたら

カワセミ撮影YT氏

先日、めずらしくたくさんの方の前で話をしました。
テーマは「税金って何だ?」
「課税とは人が稼いだ財産を一方的に取り上げる行為です」
みんな「きょとん」としてました。
しくったな〜。
 ところで税理士の仕事で難しいのは下記の仕事です。
・払いすぎた税金を返してもらう
 みなさんも一度もらった給与を「間違っていたので返してくれ」といわれると嫌ですよね。税務署も同じです。
 税金を払うのは大変ですが戻してもらうのは、もっと大変です。
いぜん消費税を3千万円も還付してもらったことがあります。
その時は、経緯書を書いたり証拠書類を集めたり大変でした。
税金を返してもらう手続にはふたつあります。
ひとつは「更正の請求」といって税務署に正しい額に訂正することを求める手続きです。でもこの請求は一定の期間内に行わなければいけません。
もうひとつの「払いすぎた税金を返してもらう」手続は国税通則法第24条に書いてあります。
その内容は「納税申告書に記載された税金などの計算が税法の規定に従っていなかったとき等の場合には、税務署長は更正できる」となっています。
更正とは「間違いを直すこと」ですね。
 税務署長とは税務署で一番偉い人です。
その税務署長にお願いして、認めてもらわないと返してもらえないわけです。
これが「嘆願」という手続です。
江戸時代のお奉行様にお願いするような雰囲気の言葉ですね。
 税の実務では「上記の国税通則法両規程をご配慮の上、本件誤りについて職権更正をして戴けますよう、嘆願申し上げます」
なあんて仰々しい「嘆願書」を作成します。
 さらに、返してもらえる期間にも制限があります。
国税通則法第71条第2項によると更正できるのは「法定申告期限から5年間」です。
ということで還付請求でお悩みの方はご相談くださいね。
【今回の推薦本】
池上彰著「そうだったのか 21世紀 NEWS」
ご存知、池上彰さんの「そうだったのかシリーズ」の最新作です。
いつも、じっくりと懇切丁寧にニュースとその背景を解説してくれます。
今回はフクシマ、ビンラディンジャスミン革命パレスチナオバマアメリカ、プーチンのロシア、週近平の中国、北朝鮮、そしてギリシャ悲劇の9章です。
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