損益計算書の利益

ヤマセミ撮影YT氏

 健診を受けてきました。
今回の病院は新しくて清潔で看護士さんも美人でした。
でも、それで健診の結果がよくなるわけでもありません(あたりまえだろ!)
中年男の嫌いな言葉。
血糖値、尿酸値、中性脂肪・・・。
 さて。IFRSでは損益計算書包括利益計算書になるので巷では経済紙などに包括利益の解説が掲載されてます。
包括利益とは当期純利益に資産の値上がり(含み)益や値下がり(含み)損を加減したものです。
いわゆる時価主義会計なので投資家向けの利回り計算のための利益です。
でも、これだけでは経営成績を判断できません。
資産の含み益や含み損は、いわゆる実現損益ではなく、どうなるか分からないからです。
土地や株をもっていて「いま売るといくら儲かる」と喜ぶのを「捕らぬ狸の皮算用」といいますね。
会社も同じだと思います。
 その点、今の日本の損益計算書は実によくできています。
会社の経営成績を明らかにするために利益が生じた経緯が記載され、会社の業績が分かるようになっています。
利益が生じた経緯を明らかにするため次の5つの利益が使われています。 
売上総利益:売上高から売上原価を控除してを計算します。
「粗利」ともいわれ売上から売上に直接要した費用を控除した収益力の源泉です 
・営業利益:売上総利益から販売費及び一般管理費を控除します。
会社が営業活動から得た利益です。
・経常利益:営業利益から営業活動以外の原因から生ずる経常的な収益である営業外収益、営業外費用を加減算してを計算します。 
営業外は主に受取利息や支払利息、有価証券売却損益などの金融収支や営業以外の活動から生じた損益です。
通常の営業で得た利益なので、毎期継続的に計上することが期待できるの重要な利益です。
税引前当期純利益:経常利益に特別利益を加算し特別損失を減算して計算します。
特別損益には固定資産売却損益等の臨時多額な損益や発生原因が前期以前にあるなど特別な損益です。
当期純利益税引前当期純利益から法人税住民税及び事業税等を控除した最終の利益です
 まずは営業段階で黒字をひねり出すこと。
次は投下資金の調達費用(金利)以上の収益力にすること。
そして突発的な支出にも耐えうるように利益を蓄積すること。
 その経営努力の結果をあらわしているのが損益計算書です。
【今回の推薦本】
 田中弘著「国際会計基準はどこへ行くのか」
 8月に紹介した磯山友幸さんの「国際会計基準戦争[完結編]」で「筋金入りの時価会計計反対論者」として紹介されているのが著者の田中弘です。
国際会計基準を賛美する本があふれかえる昨今ですが、国際会計基準の危険性を啓蒙する代表といえます。
少数派となってしまった取得原価主義者の私にとって、本書には「溜飲が下がる」思いの記述が多々出てきます。
・利益が手段と化した途端、米国の企業はもうけので出ている他企業を買収したり、デリバティブを悪用したり、未実現利益を計上したり、将来利益を前倒しで計上したり、費用を先送りしたりして何が何でも利益の額をかさ上げし始めたのである。
いわゆる「ビッグバス会計」であり「クリエーティブ会計」である。
・実は「時価とは何か」がよく分からないのである。時価は鵺のごときものである。
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