節税と脱税、租税回避

オオヨシキリ撮影YT氏

 節税とは、税法の範囲内で行われる租税負担の軽減です。
所得税の申告で医療費の領収書を集めて医療費控除を受けたり、法人税の申告で試験研究費の税額控除を受ける・・などという行為が代表的です。
 中小企業では交際費を限度額まで利用する、ということもあります。
これは単なる無駄遣いじゃないか?という疑問もありますね。
 この業界に入って間もない頃、上司がお客様にご馳走になって(?)
「ここでの飲食は節税対策なので業務命令である」といわれたことがあります
(ジョークだっていうの!)
 それに対して脱税とは法律に違反する行為で税金を逃れようとする(うまくいくか否かは保証がありません)行為です。
仮装や隠蔽といいますが、払ってもいない給与を払ったことにしたり(架空給与)、売上の一部を隠したりする行為です。
 複雑にみえる脱税手法も、よく考えると仕組みは単純だったりします。
税金を減らすには売上(収益)を減らすか、経費(費用)を増やすしかないからです。
 これに対して税務判断に迷うのが租税回避という行為です。
租税回避とは合法ではあるが、税金を減らす為に異常な法形式を選択することをいいます。
 例えば日本の税金を逃れるためだけに住所を国外に移して所得税贈与税相続税などを逃れようとしたり、業務上は必要ないにに航空機などの節税商品を購入したりする行為です。
 なぜ税務判断に迷うかというと、当局は租税回避行為が横行すると課税の公平が損なわれるので何とか課税しようとするからです。
【今回の推薦本】
 森功「腐った翼 JAL消滅への60年」
 JALの大株主(ほんとかよ!)でありJALカードも持っている私は、あまりにも先見の明が不足していたようです。
政治家と行政に当事者意識もなく振り回されてきたJALの経営陣。親方日の丸意識が抜けない組合と従業員。
 そしてツケが回されたのは株主優待目当ての一般株主でした。
JALの2009年3月の純資産は1968億円でした。
それが2010年の会社更生法適用後はマイナス8676億円。
一年足らずで1兆円以上減少しています。
その内訳は航空機などの評価損が5000億円、退職金債務が3000億円。
これを粉飾決算といわずに、何が粉飾にあたるでしょうか。
それを追求したのは、かの有名な公認会計士、細野祐二先生です。
http://www.amazon.co.jp/%E8%85%90%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%BF%BC%E2%80%95JAL%E6%B6%88%E6%BB%85%E3%81%B8%E3%81%AE60%E5%B9%B4-%E6%A3%AE-%E5%8A%9F/dp/4344018494
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