債券を譲渡したときの税金

クロジ撮影YT氏

 確定申告のシーズンが終わりました。
ということで本日も確定申告の話題にしましょう。      
 株式や投資信託の税務については何度か触れてきましたが、馴染みのないのが国債社債など債券を譲渡したときの税金です。
 証券会社からいわれて買ったんだけど、なんだかわからないので「申告ぜずにそのままにしてる」という方が多いんじゃないでしょうか。
 でも実は多くの場合はそれで結果オーライです。
債券の譲渡益に対する税務上の取扱ですが公社債の譲渡益は原則的には非課税とされています。
 譲渡益が非課税ということは損失が発生しても「なかったものとみなされる」というのが税務の世界です。
 でもすべての債券が非課税なわけではありません。
ゼロ・クーポン債や低クーポン債等の譲渡益は原則、譲渡所得として総合課税の対象となります。
 売却損益が総合課税の対象となる譲渡所得となるのは次のような債券です。
1)ゼロ・クーポン債
2)低クーポン債
3)ディファード・ペイメント債
4)ストリップ債
 尚、その利子の利率のうち最も高いものを最も低いもので除して計算した割合が100分の150以上であるものも、
一種のディファード・ペイメント債とされ、税務上は同様に取り扱われています。
 「譲渡所得として総合課税」とはどういうことかというと、給与などと合算して所得税を計算するということです。
譲渡所得の金額は次の通りです。
 資産を売った金額から、取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡益を出します。
 次に、この譲渡益から、更に、譲渡所得の特別控除を差し引きます。譲渡所得の特別控除の額は、その年の長期の譲渡益と短期の譲渡益の合計額に対して50万円です。この特別控除の額を差し引いた後の金額が、譲渡所得の金額になります。
短期譲渡所得の金額は全額が総合課税の対象になりますが、長期譲渡所得の金額はその2分の1が総合課税の対象になります。
 国税庁のホームページなどに書かれているのはここまでです。
肝心なことは書かれていません。
総合課税の譲渡所得は、損失が出た場合は給与などの所得と通算することができます。
ここが大切です。つまり確定申告をすると所得税が還付になって住民税の納付も少なくなります。
 損失が出ても確定申告をされていない方がかなりいるようです。
税金って難しいですね。
ということで、それではまた。
【今回の推薦本】
浅田次郎著「ま、いっか。」
「ハッピー・リタイアメント」を買おうと思って本書を購入してしまった天の邪鬼な私。理由は題名が気に入ったから。
 小説をあまり読まなくなって久しいですが、浅田次郎は読んでみたいと思います(といいながら、まだ読んでない)昔懐かし硬派の小説家という感があります。
本書はマキアとかいう雑誌に連載されていた随筆週ですが粋で一途でお洒落な浅田さんの思想がジンジンと伝わってくるような気がします。たまには、こういう本もいいですね。
 ゆっくり温泉にいきたくなってしまった。
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%BE%E3%80%81%E3%81%84%E3%81%A3%E3%81%8B%E3%80%82-%E6%B5%85%E7%94%B0-%E6%AC%A1%E9%83%8E/dp/4087712850/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1266903672&sr=1-1
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)

追伸:そうそう「経理の仕事がよくわかる本」が書店に並んでます。
   Solonさん、ブログで紹介してくれてありがとさんです!
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%AE1%E5%86%8A-%E7%B5%8C%E7%90%86%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E6%A0%97%E5%B1%B1-%E4%BF%8A%E5%BC%98/dp/4820717669/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1269390476&sr=1-1