ここが変だよ印紙税

ノスリ撮影YT氏

 印紙税という税金があります。
手形や不動産の譲渡契約書や領収書など一定の書類や有価証券(課税文書)をつくったら印紙を貼って納めなきゃいけない税金です。
書面を作成すると課税されます。
メールや電子での契約なら不要です。
 いっけん分かったような気がしますが、実務では悩みの種なのがこの印紙税という代物です。
印紙税の課税対象となる否かは「課税物件表」という一覧表で判断するのですが、実際の契約書は多種多様で、判断が実に難しいのです。
 このブログでも何度か書きましたが、調査の現場でも、よく揉めます。
税務署員もよく分かっていなかったりします。
だいたい、多種多様にある書類のうち一定の書類や有価証券(課税文書)だけを課税しようとするのに無理があります。
 なんで、こんな税金ができたのか調べてみたのですが、明治6年に、当時の租税が主として農民の負担にかかっていたので、商工業者等を含め広く一般人に負担させる税を設けるために、受取諸証文印紙貼用心得方規則により印紙税が課されるようになったのが、その最初でだそうです。
 明治6年というと今から136年も昔の話です。
なるほど、その頃なら経済も商取引もいまほど複雑ではなく、課税にも混乱がなかったかも知れません。
 シーラカンスのような税金ですね。
 こうして税金の種類は増える一方で、時代とともに複雑怪奇になってしまう訳です。

【今回の推薦本】

橘玲著著「貧乏はお金持ち」
 あの橘玲の企業本です。
前半は「格差社会の現実」ともいう現状分析で示唆に富んでいます。
後半はサラリーマンの「雇われない生き方」実践のためのノウハウですが、いつものキレはありません。
通常の企業ノウハウ本とあまり変わりません。
 なぜ、そうなってしまたのか。
答えは、作者自らあとがきに書いてくれています。
本当にフリーエージェントを考えている方は、このあとがきを噛みしめた上で決断してもらいたいと思います。

 会計や税務の知識があれば、法人と個人の複数の人格を使い分けることでほとんどのことが可能になる。だがひとつだけ、この方法では意のままにならないことがある。それは「お金を稼ぐこと」である。
 当たり前の話だが、人格を分裂しただけでは収入は増えない。
 法人化は、収入からより多くの利益を取り出すための技術であり、収入自体はあくまでも自らの知恵と労働で市場から獲得してこなければいけないのだ。

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