税制改正要望

ハシブトガラ撮影YT氏

 もう秋になってしまった。
「今年の夏の思いでは・・」と語る年ではないが、いつも通ってるプールにバルセロナオリンピック金メダリストの岩崎恭子が来て「小学生水泳教室」を開いていた。
 オヤジには教えてくれなかった。(当たり前だろ!!)
 私はフリーコースで歩きながら見ていたのだが、お手本の泳ぎは流石に綺麗だった。
 岩崎さんの華麗な泳ぎを見ながら、仕事熱心(?)な私は租税特別措置法の第48条の8を思い出していた。

「オリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会から交付される金品で財務大臣が指定するものについては、所得税を課さない」

 何でも報奨金は金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円だそうだ。

 この規定は岩崎恭子さんがメダルを取った時に課税されて、「メダルを取った中学生に課税するのはひどい」と世論が非難轟々だったので、できた特例だそうだ。

 岩崎さんが課税されただけでなく、岩崎さんが扶養親族からはずれて、親の税負担まで増えたのも不評だったとか・・・。

 岩崎さんは税法を変えたわけだ。 
 似たような話に「所得税の変動所得、臨時所得の平均課税」という課税軽減措置がある。

 この特例措置は、長島さんがジャイアンツに入団した時の契約金に対する税金が高額すぎる、という批判が強くてできた制度らしい。

 もっとも長島が巨人に入団した年は私が生まれた年なので、真偽のほどはわからない。

 人気のあるスポーツ選手の税制改正要望は、税理士会の「税制改正要望」より確実に優先度が高い。

 税理士会の改正要望なんて、いつも梨の礫だ(いいすぎだろ!除名されるぞ!)

 そういえば、各省庁の「税制改正要望」は毎年いまくらいの時期に出揃う。

 財務省のホームページを見ると、今年は厚生労働省の要望に「パラリンピックメダリストに対する報奨金に係る非課税措置の創設」というのがあった。

 流石の財務省も、この改正は受け入れるんじゃなかろうか。 
 ついでに私からも改正要望「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入規定の廃止」

 でも、この規定は自民党政権が続く間は廃止しそうにない。

【今回の推薦本】

 山岸一平著「昭和後期 10人の首相」

 岸信介は安保条約の改定、池田勇人は高度成長

 沖縄返還佐藤栄作、日中国交回復は田中角栄

 経済の福田赳夫、一般消費税に言及し衆参同日選挙で“戦死”した大平正芳

 土光臨調の生みの親・鈴木善幸、戦後政治総決算の中曽根康弘

 ついに消費税を導入した竹下登

 好き嫌いはともかく、昭和後期の首相は何かをやりとげようとする信念があった。

 したたかで、粘り強く、いい意味でも悪い意味でもあくが強い。 
 二世政治家はひとりもいない。
 いまや二世政治家が半分以上だ。

 平成の首相は小泉純一郎を除いて、なんともひ弱で、強い信念も感じられないと思うのは私だけか。
 思えば昭和後期から現在まで続いている戦後最大の政治課題は、いつも「財政削減か増税か」

 これで、いくつもの政権が潰れた。そしてこれからもそうだろう。

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