連休明けなので、今回は面白かった本についてだけ書きます。
【今回の推薦本】
有森隆+グループK著「株マフィアの闇」
ギャンブルに弱く、株を買っても損ばかりしている私は、相場師の歴史はよく知りませんでした。田中平八、若尾逸平、雨宮敬二郎、鈴木久五郎・・すべてこの本で知りました。
不勉強を恥じなきゃ駄目ですね。これは本音です。歴史は表と裏の両方を知らないと深くは、理解できないと思うからです。
ところで私の世代なら誰でも知っている相場師に是川銀蔵がいます。最後の相場師として「是銀」の愛称で親しまれ長者番付一位にもなりました。
何かの本で、晩年は不遇だったという記憶はありましたが、その原因が税金だったことは、この本で始めて知りました。
何でも株式売買で大儲けしているという評判のわりに所得が少ないかったため国税当局が徹底的に調査して五年間で二八億円の申告漏れを指摘したそうです。
二八億というと延滞税や過少申告加算税もかなりの高額になります、当然、税金の支払いに追われました。
土地を売却して税金の滞納に全額充てて、何とか納付した。手元に残ったのは六千万円だそうです。ここで一息ついたのも束の間、翌年には、その売却金二九億円に対する税金の支払いに追われ、財産はすべて差し押さえられたそうです。
脱税はもちろんいけないのですが、是銀がこうなったのは「税金知識が不足していた」ことにも、かなりの原因があるようです。
経営者と相場師が成功するには、いい税理士が必要です。松下孝之助は、講演会のあと経営者の質問に、いみじくも以下のように答えていました。
「あんたは、儲けた金より税金を少なく払いたいと思うから悩むんですな。そんなことで悩むより、儲けることですな。公明正大にやっていれば、国は全部はもっていきません。公明正大が一番です」
(このブログは毎週木曜日に更新予定です)