管理は後からついてくる

ヒレンジャク撮影YT氏

 1970年代の話です。民社党という政党があって春日一幸という人が委員長でした。

 演説が独特の口調で、なかなか味がありました。その春日さんの有名な語録に「理屈は貨車で後からついてくる」というのがあります。

 たしか自民党が既成事実をつくっては、それを正当化していくのを皮肉って表現した言葉だった気がしますが、幼いころの私は、弱小政党の民社党がころころと主張を変えるのを正当化するためのいいわけだと思っていました。

 これと似たようなような言葉なのですが、たまに「管理は後からついてくる」と考えている経営者がいるようです。

 「とにかく大胆に資金を投入して売上を増やすことが先決で、売上さえあげれば管理体制は後からついてくる。事務処理は後から無理矢理やらせればできるものだ。」と考えているようです。 
 昔は、「なるほど・・。」と思いました。俺みたいな細かいことをいう税理士は成長の阻害要因なのか・・とも。

 でも、これだけいろんなお客様のお手伝いをさせていただいてみると「そんなの嘘だ!」と思うようになりました。

  確かに一件、そんな感じで伸びている会社があるので成長期には管理は後からすればよい・・という気になりますが、よ〜く考えてみると、どうもそうではありません。

 そういう会社は「社長がしっかりしている」にすぎないのです。つまり「管理をしていないのではなく、管理コストをかけていない」ということです。

 そうでないと利益を出しながら成長できるわけがありません。大切なのは「採算意識を徹底して、無駄なコストは使わない」ということです。

【今回の推薦本】

 手塚治虫「戦争漫画」傑作選。私は手塚治虫と手塚さんに憧れて漫画家を目指した「ときわ荘」世代の漫画に大きな影響を受けました。

 藤子F不二雄、藤子A不二雄、赤塚 不二夫 、石森章太郎、(恐怖漫画の前の)つのだじろう、スポーツマン金太郎の寺田ヒロオ・・・彼らの漫画を読むのが一番の楽しみで、いまだに漫画を読んでいる時間が至福の時間です。

 この本は手塚漫画の原点ともいえる作品を選りすぐっている選書です。

 手塚さんの作品の背景には、常に幼少のころの戦争体験があります。この本は手塚さんが、幼い頃の戦争体験をベースに創作を交えて描いた作品集です。

 晩年の「アドルフに告ぐ」は、この作品集の延長線上にあります。

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(このブログは毎週木曜日に更新予定です。今週は訳ありで早めに更新しました)