開業時の心得

シマアカモズ撮影YT氏

 仕事でいちばん「つらい」ときは、「お客様の商売がうまくいかなかったとき」です。資金力のない中小企業が心掛けるのは、まず「行き詰まらないように細心の注意を払う」ことのような気がします。

私の経験では、行き詰まる原因は、決まっています。「利益が出ない」か、「資金が不足する」か、どちらかです。当たり前だと思うかも知れませんが、経営に王道はなしで、当たり前のことを積み上げるのが経営ではないでしょうか。

・心得1 価格で勝負しない

 中小は価格で勝負しても勝ち目はありません。資本力マンパワーのある会社に適わないからです。社長みずから時給数千円の仕事にあけくれていたら、すぐに売上が天井になってしまい、身動きがとれなくなってしまいます。

・心得2 運転資金が小さい業態にする

 企業してみると分かるのですが、生活費の感覚で事業資金を考えていると大失敗をします。数百万という単位のお金は「あっという間に消える」のが事業です。小売業やメーカーは、かなりの資金力がないと成功するものではありません。

・心得3 ノウハウのない市場には手をださない

 ということで、中小の武器は、経営者の魅力とノウハウだけです。よっぽど自信のある市場で戦うことで、やっと生き残る条件を満たしているだけだと自戒しましょう。あと、どんなに才能があっても反省しない人は、必ず行き詰まる気がします。そう「懲りない人」です。

【今回の推薦本】

 落合博実著「徴税権力」。先週も紹介した本です。落合さんの単行本は初めて読んだのですが、すごい取材力です。日本最強の情報収集力をもつ国税庁の内部情報を収集しています。どうすれば、こんな情報を収集することができるのでしょうか。納税は国民の義務です。徴税は公平でありたいものです。

 作者も最後に触れているように、税金の使途監視に責務を負っている会計検査院にも、国税庁並みの情報収集力と強制調査権を持たせるべきです。それでこそ課税の公平感が保たれるというものです。会計検査院ではなく会計検査庁に格上げをする。税理士ではなく「会計検査士」という資格もつくって、公金使用は、第三者の監査を義務づける。自民党でも、民主党でもいいから参院選の争点にしてくれないものでしょうか。

http://www.amazon.co.jp/%E5%BE%B4%E7%A8%8E%E6%A8%A9%E5%8A%9B%E2%80%95%E5%9B%BD%E7%A8%8E%E5%BA%81%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6-%E8%90%BD%E5%90%88-%E5%8D%9A%E5%AE%9F/dp/4163687408/sr=1-1/qid=1169103201/ref=sr_1_1/503-6424375-9446342?ie=UTF8&s=books


(このブログは毎週木曜日に更新予定です)