日本版なんとか法

サンカノゴイ 撮影YT氏

 会社法が5月に施行されました。私はあれは「日本版コマーシャルコード」だと思っています。アメリカの会社に関する規定の影響を強く受けている改正だからです。コマーシャルコードとは、「アメリカの商法」です。

 長くなじみのあった証券取引法金融商品取引法とやらに変わりました。これは「日本版投資サービス法」だそうです。もちろん、基はアメリカの法律です。この金融商品取引法は、専門家には実にやっかいな法律で89本の法律改正だそうです。

その分量は1、170ページという膨大なものです。あまりに膨大なので2006月6月に公布されたのですが、施行は少しずつされています。完全に施行されるのは、2年以上かかりそうです。

 上場企業でいま大騒ぎなのが金融商品取引法などに定められた「財務報告に係る内部統制制度」という制度です。これは「日本版SOX(サーベンス・オクスリー)法」です。

なんでも、かんでもグローバル化という名前のアメリカ化です。アングロサクソン系の文化とは正反対の文化をもっている国が日本ですが、法律だけが風土や文化や歴史を無視して、経済の理由で変わっていくことに矛盾を感じるのは私だけでしょうか。

 新渡戸稲造が「武士道」を出版したのが明治31年でした。100年以上経った現在、武士道にあこがれるているのは、皮肉にもアングロサクソンの方たちだけになりました。もっとも、かくいう私も「武士道」を読んだことはありませんが・・・。   

【今回の推薦本】

 偶には専門書、松尾直彦編著「一問一答 金融商品取引法」。金融商品取引法を勉強するのにいいです。体系的にQ&Aの方式で解説してくれています。この本が面白い!と感じるようになったら法律家として、すごいのでしょうか?私はまだまだ、その域には達しません。

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